場面指導

教員採用試験の場面指導 CASE9 授業中,ぼんやりしている生徒が。理由を聞くと…

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。
201510P110絵・清水ゆざめ

【ミニクイズ】この授業、何年生だか分かりますか?

解説=中根政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

設問の状況

「教師は授業で勝負する」と言われるように、教師の第一の職務は、児童生徒を意欲的・主体的に授業に参加させ、確かな学力を身に付けさせることです。「授業が簡単すぎると言う生徒」の発言をしっかりと受け止め、その子が意欲的・主体的に取り組めるよう授業改善に取り組もうとしているか、児童生徒の理解力や習熟度に合わせて指導内容を工夫しているかなど、教師としてのより本質的な資質が問われる場面指導です。

 

模範的な対応例

「授業が簡単すぎる」と感じている児童生徒について、その実態を確実に把握し、習熟度に応じた学習形態や課題の工夫・改善などに取り組むことが大切です。

対応のポイントは次の3点です。①「授業が簡単すぎる」という子供の声を真剣に受け止めることができるか、②理解力や習熟度に応じた課題設定等を行うことができるか、③日頃から学習形態を工夫し、「学び合い」「教え合い」等を授業に取り入れようとしているか、です。

【問】数学の授業中、ぼんやりと窓の外を眺めている生徒がいます。どうしますか?

【答】その生徒に近づき「どうしたの?」と声を掛け、様子を確認します。

【問】その生徒はすでに問題を解き終えていて、「塾でもう習っています。授業が簡単すぎます」と言ってきました。どう対応しますか?

【答】解答を確認し、正答であれば褒めます。その上で、次の授業からは、難しい問題や応用問題を用意するから、今は真剣な態度で授業に参加するよう話します。

【問】出題する問題(課題)を生徒によって変えてしまって、授業として成立しますか?

【答】基本問題を全員に取り組ませた上で、理解度・習熟度に応じた課題に取り組ませます。

【問】そうした対応で十分ですか?

【答】学習形態も工夫し、単元に応じて「グループ学習」や「ペア学習」等を取り入れ、「学び合い」「教え合い」が大切なことを生徒に理解させたいと思います。

【問】児童生徒にとって「魅力ある授業」とは、どのような授業ですか?

【答】児童生徒が「分かった」「できた」を実感し、「もっと学びたい」と意欲を喚起できる授業だと思います。また、学級全体での「学び合い」が楽しいと思える授業だと考えます。

【問】そのためにどのような工夫をしますか?

【答】アクティブ・ラーニングを取り入れます。教師が一方的に講義するだけでなく、児童生徒が主体的に参加し、調べ、まとめ、発表するなどの問題解決学習、体験学習等を取り入れ、児童生徒が意欲的に取り組めるような授業づくりを行います。

求められる教育的知見

学力向上のためには、児童生徒が意欲的・主体的に取り組むことが不可欠です。2012 年に実施された「OECD 生徒の学習到達度調査」(PISA)の結果を見ると、日本の児童生徒の学力は改善傾向にあるものの、“学ぶ意欲”に課題があると分析されています。それだけに、児童生徒一人一人の学習意欲をいかに引き出し、主体的に学ばせることができるか、教師としての指導力が問われます。面接試験では、次期学習指導要領の目玉とも言われるアクティブ・ラーニングへの取り組みも含め、教師として「研究」と「修養」に努め、授業力・指導力の向上を目指す姿勢をアピールすることが必要です。

なお、この事例では、「授業が簡単すぎる」と言う生徒の言葉を謙虚に受け止められるかどうか、その言葉を受けて授業改善に取り組む姿勢があるかどうかも問われています。何気ない児童生徒の言葉にショックを受けることもあるでしょうが、教師であればこそ、その言葉を真剣に受け止め、授業力・指導力を磨こうと努力する姿勢が求められます。

 

類似する質問例

○ 保護者から「子供たちが、授業が分からないと言っている」との苦情がありました。どう対応しますか?
○ アクティブ・ラーニングを取り入れた授業をどのように行いますか?

【クイズの答え】中学3年生。黒板に記載された「式の展開」は、中3で学習します。

201510cover

CASE11は、本誌『教員養成セミナー2015年10月号』のP.112~113をご覧ください!

←画像をクリック

 

 

教セミちゃんねる 教員養成セミナーのご紹介 教セミLine@ 教員採用試験対策サイトへ

最新号のご紹介