教師の本棚

『ビロードうさぎ』

201509P131

マージェリィ ウィリアムズ=著
石井 桃子=訳
2002年/童話館出版
¥1,400+税

教師になってから出会った絵本

柳 志穂(練馬区立大泉西小学校主任教諭)

私は子供の頃、本を読むのが嫌いでした。読書活動の時間も、何となくページをめくりながら時間が過ぎていました。でも、仕事を始めてからは、本屋にふらっと立ち寄っては、面白そうな本を手に取るようになりました。

私が今までに勤務してきた小学校は、どこも年に2回の「読書週間」がありました。また、ある小学校では、全教師の“オススメの本”を紹介するコーナーが廊下に設けられていました。子供の頃から本を読んでこなかった私は、すぐに学校司書の先生に相談をしました。そこで何冊か紹介していただき、心に残った一冊がこの『ビロードうさぎ』です。

ある年のクリスマスに、ぼうやへ贈られたビロードうさぎ(ビロード製のぬいぐるみ)。でも、ぼうやは他にもたくさんの玩具を持っていたため、他の古びた玩具と共に物置に入れられてしまいます。木馬から「おもちゃは、心から可愛がられたらほんとうのものになれる」と教えられていたビロードうさぎでしたが、ある日を境に再びぼうやの手に取られ、毎日を一緒に過ごすことになります。そして、時は経ち、いつしかその体はボロボロになっていきました。

そんなある日、ぼうやが重い病にかかり、汚れたビロードうさぎは病気には良くないからとの理由で、処分されることになるのですが…。

今は物が溢れかえっている時代。だからこそ、おもちゃの視線で考えたり、子供の視線を思い出したりできる本作は、とても奥深い作品だと思います。

私には、昔から大切にしてきたブタのぬいぐるみがあります。しばらく置きっぱなしにしていたために汚れていましたが、クリーニングに出したところ、見違えるほどキレイになって戻ってきました。現在、私の学級通信には、手描きのブタが登場します。そして、教室の黒板にも同じくブタがいます。「ほんとうのもの」になったのでしょうか。

子供たちには、良い本にたくさん出会ってほしいと願っています。素敵な絵本を紹介するため、私自身がそうした本との出会いを求め続ける毎日です。

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