場面指導

教員採用試験の場面指導 CASE5 担任するクラスの子供たちの言葉遣いが悪くなってきました。どう対応しますか?

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。
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絵・清水ゆざめ

【ミニクイズ】この先生には、言葉遣い以外にも、指導しなければいけないことがあります。分かりますか?

解説=中根政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

 

設問の状況

小学生も中学年になるくらいの頃から、言葉遣いが乱暴になる児童生徒が増えてきます。事例のように、乱暴な言葉や、他の児童生徒を傷つけるような会話が広がり始めたら要注意です。他人を思いやる心や気遣いの心が薄れ、一部の自己中心的な発言をする集団の児童生徒が学級の雰囲気を壊し、やがて学級崩壊(学級がうまく機能しない状態)につながる可能性があります。状況をしっかりと把握した上で、言葉遣いや他人への配慮が必要なことを意識的に指導し、学級の規律を保つことが重要です。児童生徒理解を基本に、落ち着いた雰囲気の学級を作る指導力が求められます。

模範的な対応例

本事例のような状況に対応していく上でのポイントは3点あります。①状況を把握し、危機意識を持つことができるか、②該当する児童生徒に対してきちんと指導することができるか、③言語環境の重要さを理解し、日頃から豊かな言葉や掲示物を大切にする指導を行っているか、です。こうした対応を通じ、学級崩壊をさせない指導力の有無が問われます。

【問】帰りの会を終えて廊下に出ようとしたところ、「バーカ」「死ね」「だりー」などの乱暴な言葉が教室から聞こえてきました。どう対応しますか?

【答】まず、その場に止まり、状況を把握します。その上で、「言葉は大切であること」「乱暴な言葉は使わないように」と話します。

【問】児童たちが、「ふざけているだけです」「みんな使っています」と返してきました。どうしますか?

【答】何気ない乱暴な言葉が相手を傷つける可能性があること、学級の雰囲気を壊すことなどを説明します。

【問】それでも児童から「うちのクラスだけじゃない。他のクラスでも言っているよ」と返してきました。どうしますか?

【答】学校は、正しい言葉遣いや豊かなコミュニケーションを学ぶ場であること、「このくらい」という考え方が、乱れたクラスにしてしまうこと、他のクラスでも乱暴な言葉を遣わないようにしようと、児童生徒に伝えます。

【問】言語環境に配慮することは大事ですよね。あなたは、日頃からどのような指導を行っていきますか?

【答】国語の時間はもちろん、学校生活のあらゆる場面で正しい言葉遣いをするよう指導していきます。そのために、教師がまず率先垂範で、正しい言葉遣いの見本となります。また、掲示物も充実させ、豊かな言語環境が整った学級経営を行います。

【問】乱暴な言葉遣いが増えてくるのには、理由がありますよね。言葉の乱れに続き、学級崩壊の予兆も出てきた場合、どうしますか?

【答】まず、それまでの指導を反省します。子供たちの様子を把握する姿勢に弱さがあったと考えられますので、しっかりと実態を把握し、正しい言葉遣いを指導していきます。そして、学級崩壊が起こらないよう全力を尽くします。

求められる教育的知見

「言語活動の充実」は重要な課題です。教師として、日頃から正しい言葉遣いや言語指導を心掛けると同時に、授業改善、教室環境の整備などに努める必要があります。特に、教師が話し方や発問、板書、掲示に丁寧に取り組むことで、意図的に言語環境を充実させていくことが求められます。その姿勢が、日常の児童生徒の言葉遣いや良き人間関係づくりにつながっていくのです。「このくらいなら…」「ふざけているだけだろうから…」と、言語の乱れを放置すると、必ず学級の雰囲気は壊れていきます。教師自身が、正しい言葉遣いを心掛けることによって、子供たちの間にお互いを認め合う学級の風土が醸成され、豊かなコミュニケーション能力の育成が図れます。このような姿勢が学級崩壊を防ぐことにもつながるので、今一度、言語活動、言語環境の意義を理解しておくことが重要です。

類似する質問例

○ 教室に紙くずが散乱していてもそれを拾わず、机が乱れていても直そうとしない雰囲気が学級
に見られるようになってきました。担任として、どう指導しますか?

○ 黒板に「バカ」「死ね!」などの落書きが見られるようになってきました。担任として、どう対応しますか?

 

【クイズの答え】子供がゲーム機で遊んでいること。通常、学校へのゲーム機の持ち込みは禁止です。

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CASE6は、本誌『教員養成セミナー2015年8月号』をご覧ください!

 

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