教師の本棚 | おすすめ書籍

おすすめ書籍紹介〜今月のテーマ「メキメキやる気があふれたとき」

丸山 匠勇(板橋区立西台中学校)

スペイン、フラメンコ・ギター、大冒険

新装版『カディスの赤い星』(上・下)
逢坂剛=著/2007年/講談社文庫/上巻:¥730+税 下巻:¥800+税

「メキメキやる気があふれたときに読む本」として、普段はその厚さに尻込みしてしまう、血湧き肉躍る長編小説はいかがでしょうか。こんなにやる気があるのだったら、読み出すと最後まで一気読み間違いなし。今回はそうした本をご紹介いたします。
まず1冊目は、逢坂剛『カディスの赤い星』です。『教セミ』をお読みの世代の方は、もしかすると逢坂剛という小説家の本はあまり見たことがないかもしれません。『コルドバの女豹』『幻のマドリード通信』『スペイン灼熱の午後』といったスペインを舞台にした連作短編集で一躍表舞台に飛び出た作者の集大成ともいうべき本です。
フリーのPRマン漆田は、ある日得意先の日野楽器から、サントスという卓越したギタリストを探してくれるように頼まれるのだが…。
私の持っている単行本は429ページ。しかも2段組みで字が小さいのですが、あっという間に読み終えてしまいました。音楽や冒険、そしてスペインの情熱が好きな人には、至福の時をお約束いたします!

 

大人版「空飛ぶ幸吉」

『始祖鳥記』
飯嶋和一=著/2002年/小学館文庫/¥695+税

皆さんは、空飛ぶ幸吉という人をご存じですか?江戸時代天明期に、大空を飛ぶことをひたすら夢見た表具屋の幸吉という人がいたそうです。私は小学校のころ、「空飛ぶ幸吉」というお芝居を日生劇場で観たことがあります。当時、これは完全にフィクションだと思っていました。あまりに荒唐無稽だったからです。しかし、この本には実在した幸吉の姿が、多くの資料を基に生き生きと描かれています。
本書は、備前岡山の怪鳥鵺ぬえを、多くの捕り方たちが捕まえるという緊迫したシーンから始まります。そして“ 鳥人” 幸吉の真っ直ぐな生き方に人々は奮い立ち、公儀の悪政に敢然と立ち向かっていくのです。
飯嶋和一の著作の中でも、特に厚くて血湧き肉躍る1冊になっています。文庫本で503ページ!それでもやる気があふれているときにはあっという間。しかももっともっとやる気が出てくるような1冊です。

 

冒頭の何という謎!

『星を継ぐもの』
ジェイムズ・P・ホーガン=著,池央耿=訳/1980年/創元SF文庫/¥700+税

月面で発見された真紅の宇宙服を着た死体。彼はほぼ現代人と同じ生物で、しかも5万年前に死亡していた!そんな無茶な設定なんてあり得ませんよね。しかし綿密な調査によって、驚くべき真実が次々現れて…。
荒唐無稽な話ではありません。いわゆるハードS F といわれる、科学性を重視したS F なのです。さすがに1 巻だけでは解決せず、『ガニメデの優しい巨人』『巨人達の星』へと続く大長編ですが、その中で人類や月の起源が浮かび上がってきます。S F なんかにはついて行けない、という先入観をお持ちの方々にも、十分に楽しめ、考えさせられる1 冊です。
おまけにもう1つ、血湧き肉躍る長編漫画をご紹介いたします。村上もとか『仁』全20巻(集英社)です。テレビドラマでご覧になった方も多いとは思いますが、原作の漫画はまた別格。幕末時代に興味がある人には必読?です。

 

 

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