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おすすめ書籍紹介〜今月のテーマ「福」

丸山 匠勇(板橋区立西台中学校)

小さな本屋で起こった心温まる物語

『「福」に憑かれた男』
喜多川泰=著/2015年/サンマーク文庫/¥600+税

読者の皆様は喜多川泰という方をご存じでしょうか?私は数年前にこの作者の『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』と出会ってから、一気にファンになりました。また『「手紙屋」』シリーズや『心晴日和』といった本を手に取られた方も多いのではないでしょうか。その中でもこの1冊は、すべての本好きの方にとって、必ず共感できる内容になっています。
本書の中では、新米の福の神が登場します。彼は先輩の福の神から、福の神が憑くことの条件として、①人知れずいいことを繰り返し、その量が一定値を超えた人、②他人の成功を心から応援、祝福し、その量が一定値を超えた人、③すべての人を愛することができる人、のうちどれかを満たしていることであると教わります。また、もう一つ「人間は僕たちの想像を超えて、ほんの一瞬で成長できる存在である」ということも教わります。
こうして無事福の神に憑かれた?!  潰れそうな本屋を継いだ秀三の身の回りで、いろいろなことが起きますが、必ずしもいいことばかりではありません。ここから先はどうぞ読んでみてください。本が好きな人や自分の読んだ本を紹介したい人にとっては、至福の時間になるはずです。
私がいる中学校の前校長は、朝礼で喜多川泰の本の中の言葉を紹介することが多かったので、図書室の中に「校長先生のお薦め本」というコーナーを作りました。それ以降、生徒たちが「今日の校長先生の話が載っている本はありますか?」と来室しては本を借りていくことが多くなりました。どの著作も読むと気持ちがほっこりし、心が強くなったように感じるものばかりです。あとがきの「1冊の本との出 会いで人生は変わる」もとても素敵な言葉だと思います。

 

日本語・中国語・台湾語、3つの母国語

『来福の家』
温又柔=著/2016年/白水Uブックス/¥1400+税

台湾生まれで日本育ちの主人公、許笑笑(きょしょうしょう・何というおめでたい名前か!)は、大学卒業後、改めて中国語学校に入学しようとしています。彼女は台湾生まれで日本育ち。本書の中でも中国語、台湾語、英語、日本語が入り乱れて飛び交います。穏やかな日常の中に、ちょっとした言葉のやりとりがあり、そういうところに「福」はやって来るんだな〜、とほのぼのとした気持ちになれる1冊です。

 

祝福するとは、祝福されるとは

『祝福屋福助』
業田良家=著/2001年/小学館ビッグコミックススペシャル/¥933+税

最後にご紹介するのは、なんと「漫画」です。しかも作者はいつもギャグ漫画を中心に描いている業田良家。この書評欄にはふさわしくないかなと思いながらも、ユーモアとペーソス、そして哲学的な一面をも併せ持っている本書は、是非手に取ってもらいたい、という気持ちで掲載させて頂きました。
いかなる人生をも祝福してみせる、という祝福屋。祝福の裏の意味まで、笑いというオブラートに包んで見せてくれます。さて、あなたは誰に祝福され、誰を祝福していくのでしょうか。

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