最新号の内容 | 躍動する若手教師

File29 高井 優衣(たかい・ゆい)先生 千葉市立稲丘小学校

見慣れない見学者の登場に硬くなる子供たち。
よく通る高井先生の声に励まされ、
少しずつ発言を始めます。
授業後半、発言が飛び交う教室は、
開始直後とは別の教室のようです。

Q1 子供と接する上で、心掛けていることは?

学級の子供、一人一人の気持ちを酌んであげることです。現在、担任している6年生の学級には37人在籍しているので、全員に目を配るのはなかなか難しいのですが、できるだけ子供の気持ちに添うことを心掛けています。
そのために行っているのが、日記です。高学年を担任する先生方の多くが、日記を取り入れているのを見ていたので、昨年度、初めて5年生を担任することになったとき、始めてみました。帰りの会の前、2・3分の間に好きなように書いてもらうもので、「楽しかった」など一言でもいいし、何も書かなくてもOK。今年度持ち上がりで担任している6年生でも続けています。高学年は、悩みや不安を抱えていても、皆の前で「先生、あのね…」と相談できるほど幼くありません。私にとって日記は、そんな子供たちの気持ちを知る、よい手段になっています。中には日記が私との「しりとり」になっている子もいますが、何かあったときに気持ちを訴えられる場があることは大切だと思って、続けています。

 

Q2 教職5年目、成長したことは?

授業の引き出しが増えたことでしょうか。初任者のときは、教材研究もゼロからすべて考えていく必要がありました。5年目になり、先輩の先生方からいただいたアドバイスも5年分に増え、「あのときのあれを…」といった応用も、少しずつできるようになってきたと感じています。
教材研究はいくらやっても足りることはなく、毎時間、「もっとこうしておけば!」という点が見つかります。それでも、初任者時代の「ダメなことは分かっても、何がダメだったか分からない」「アドバイスをいただいても、どう生かしていいのか分からない」といった状態とは違い、問題点は分かりますし、どう修正すればいいのかも見えるようになってきました。それが5年分の成長ではないかと思います。

 

Q3 心に留めているアドバイスは?

初任者指導の先生にいただいたアドバイスなのですが、一つは「子供を注意する、その倍、良いところを褒めてあげる」ということ。私は、子供を注意することはできるのですが、子供がそれを改善したときを見逃してしまいがちな部分があります。でも、子供の成長を認め褒めることはとても大切です。成長に気付いた時には、すぐ言葉を掛けるよう心掛けています。
そしてもうーつは、「授業が楽しくないと、子供はついてきてくれない」ということです。もちろん、初めから楽しい授業ができるわけではありません。だからこそ初任者は、子供と一緒に遊ぶなど、関わりを多く持つことが大切になります。ただ、いくら関わる時間をたくさん持っても、楽しい授業ができないままでは、子供は離れてしまいます。先輩の先生方の上手な授業などを参考に、子供が「食いつく」ような、楽しい授業を考えていくのは、今後の大きな課題の一つです。

 

Q4 印象に残っている失敗はありますか?

初任者のとき、子供同士がぶつかってケガをするということがありました。保健室に連れていくなどの対応・指導は行ったのですが、時間の余裕がなく、また、ケガが小さなこぶ程度だったこともあり、管理職への報告を後回しにしてしまったのです。その後たまたま、ケガをした子の保護者が忘れ物を届けに来校。子供からケガについて聞き、管理職と話をされた際、管理職が状況を把握していなかったことで、保護者を不安にさせてしまいました。大切な子供を預かっているのですから、学校には責任があります。どんな小さなことでも、管理職への報告・連絡・相談が欠かせないことを実感しました。

 

Q5 反対に、印象に残っている嬉しかった出来事は?

2年前、3年間勤務した初任校を離れる際の離任式のことは、よく覚えています。担任した子供の保護者に限らず、学校行事やイベントなどで関わった方々にも見送っていただいたのです。実は、当時の校長先生から、地域の方々や学級以外の保護者とも関わりを持つことを薦められ、PTAのバレーボールや地域イベントに参加していました。休日の活動もあり、正直、「めんどうだな」と感じたときもありました。それでも参加を続けていたことで関係が生まれ、最後にはたくさんの方々から言葉を掛けられ、見送っていただくことができました。
学校・教師が地域とのつながりを持つことは大切です。今も地域イベントなどには、出来るだけ参加するようにしています。

 

Q6 読者へのメッセージ

初任者のうちは、とりあえずやってみる姿勢が大切です。「やってみない?」と言われた時「やったことないので…」と引いてしまうのではなく、「やります」と前向きに取り組めば、きっと周りが助けてくれます。「何でこんなことを?」と感じても、とりあえずやっておけば、数年後に「やっておいて良かった」と思ったりします。分からないのも失敗するのも初任者なら当然です。年を重ね「○年目なのに知らないの?」となる前に、色々なことに前向きに挑戦してほしいと思います。

 

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