映画・ドラマに学ぶ教育の本質 | おすすめDVD

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

2017年/日本/129分
監督:廣木隆一
出演:山田涼介、西田敏行 他
発売元:KADOKAWA/ハピネット
販売元:ハピネット
価格:
DVD ¥3,900+税
Blu-ray ¥4,800+税
好評発売中
(c)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会

「縁」の不思議さと豊かさ

吉田 和夫(玉川大学教師教育リサーチセンター客員教授/教育デザイン研究所代表/元東京都公立中学校長)

今回のテーマは「縁」。どう読むかにより全く意味が異なります。「ふち」と読めば「淵」、「えん」や「えにし」と読むと英語ではおそらく「fate」となり、「運命」に近くなります。もちろん、今回のテーマは後者ですので、この『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を取り上げました。ただ、少し考えると、「縁(えにし)」と「運命」とはかなり異なることが分かります。固定して決められている「運命」と、人との出会いに伴って生まれる「縁」とは実はまるで正反対のような気もするのです。広辞苑では、「①仏教用語で『原因を助けて結果を生じさせる作用』、②ゆかり、つづきあい、関係、③人と人とのつづきあい、婚姻の関係」とあり、単なる「運命」とは異なる内容的な豊かさが感じられます。
さて、この映画ですが、2011年に書かれた東野圭吾の長編小説を映画化したもので、「最も泣ける感動作」といわれ、多くの読者が観ているとも思いましたが、映画を観てから改めて原作を読んで泣きましょう。
2012年、養護施設で育った敦也たち3人が盗みを働き逃げ込んだ廃屋。そこは、かつての「ナミヤ雑貨店」。彼らが潜むその店の郵便受けに手紙が届きます。その手紙は1980年に書かれたもので、当時、店主の浪矢雄治は困っている人たちからの手紙を受け取り、その相談に乗っていたのです。最初は馬鹿にしていた敦也たちですが、深刻な手紙の内容に、店主の浪矢の代わりに返事を書くことになります。見ず知らずの誰かのために真剣に悩み、そしてその手紙の女性の人生に関わることになるのです。
1980年に住む浪矢雄治とその世界、そして2012年に生きる敦也たちの世界とを結ぶ手紙、そこに書かれた相談事と返事を介した不思議な交流。やがて彼ら自身の運命も浪矢からの手紙によって大きく変わっていくのです。人との「縁(えにし)」が奇蹟を運んでくるとき、自らの運命も揺り動かされ、やがて新たな展開が生まれるのです。私の好きな言葉である、「シンクロニシティ(synchronicity)」や「セレンディピティ(serendipity)」などと関連する素敵なファンタジー映画です。


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