場面指導

教員採用試験の場面指導 CASE 1 授業中、突然、子供が泣き出しました。どう対応しますか?

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。
201506P080

絵・清水ゆざめ

【ミニクイズ】漫画に登場するクラス、何年生か分かりますか?

解説=中根政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

設問の状況

小学校では、何の前ぶれもなく、突然児童が泣き出し、先生が途方に暮れる…というケースが珍しくありません。
特に小学校低学年では、よくある事例です。「隣の男子に意地悪をされた」「急に不安になった」「悲しいことを思い出した」などの場合です。そして、「お漏らしをしてしまった」などのケースも見られます。また、小学校高学年や中学生でも、「急に大声を出して、授業を妨害する」「突然、教室から抜け出してしまう」などの状況に直面することがあります。
それだけに、児童生徒のとっさの行動に、担任としてどう対応するか。教師としての判断力・指導力の有無が問われる事例です。

模範的な対応例

本事例のような状況に対応する上でのポイントは、大きく3点あります。①泣き出した原因を把握し、泣き止ませることができるか、②他の児童生徒たちに対して、静かに自習等ができるように指示できるか、③本人への配慮と保護者への適切な報告ができるか、です。

【問】黒板に板書中、突然、A 子さんが泣き出しました。どうしますか?
【答】まずは、本人に「どうしたの?」と聞きます。理由が分かった場合は、落ち着かせて、授業に参加させます。理由を話してくれない時には、隣の児童に聞きます。

【問】隣の児童も「分からない」と言います。教室内が、うるさくなってきました。どうしますか?
【答】他の児童には自習を指示し、本人を廊下に連れて行くなどして話を聞きます。

【問】それでも、泣き止まなかった場合はどうしますか?
【答】職員室か保健室に連れて行き、他の先生に理由を聞いてもらいます。

【問】教室に戻った後、どのように子供たちに話をしますか?
【答】「皆さん、しっかりと自習が出来ていましたね。先生嬉しいです。○○さん、もう大丈夫だからね。みんなも、時々悲しくなってしまうことありますよね」と言って、共感させ、授業を続けます。

【問】A 子さんの保護者には、どのように報告しますか?
【答】児童を下校させた後に電話をし、その日の出来事を伝えます。

【問】その際は、どのようなことに配慮しますか?
【答】家庭での様子を聞き、今後の対応については家庭と担任が共通理解をして、対応していきたいことを伝えます。学級でも、クラスの子供たちにはA子さんはもう大丈夫であること、A子さんの気持ちをみんなで理解してあげようと話したことなどを伝え、保護者が不安にならないようにします。

 

求められる教育的知見

学校では、児童生徒の発達段階、性別、家庭環境、児童生徒同士の人間関係などによって、時に突発的な行動や発言が見られたりします。教師には、そうした不測の出来事も児童生徒理解の一つとして捉える姿勢が必要です。

大切なのは、日頃の児童生徒との関わりを通じて、一人一人の児童生徒理解を深めておくことです。そうすれば、事例のような場面でも、冷静かつ適切に対応することができます。これは、教師に求められる大切な資質だと言えるでしょう。
本事例では、A子さんが泣き出した原因が分からない状況となっていますが、日常的には、なぜ泣き出したのか、その理由を概ね把握できるような学級経営に努めていきたいものです。
また、ADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障害がある児童生徒への配慮も重要です。児童一人一人に応じた指導を心掛けることで、児童生徒、保護者との信頼関係を深めたいものです。

 

類似する質問例

○ 授業中、児童が急に教室を飛び出しました。担任としてどう対応しますか?
○ 授業中、男子児童が、「先生、○○がお漏らししました!」と大きな声で叫びました。担任としてどう対応しますか?

【クイズの答え】答えは小学2年生。二ケタの筆算は、小2で習います。

 

教員養成セミナー2015年6月号

CASE2は、本誌『教員養成セミナー2015年6月号』をご覧ください!

 

 

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