躍動する若手教師

File27 鈴木瑛里加(すずき えりか)先生 神奈川県立相模原中央支援学校

少しずつ、でも着実に成長する子どもたち
「すばらしい!」
「できるようになったね!」
小さな変化を見逃さず
鈴木先生は声を掛け続けます

Q1 教師を目指した理由は?

特別支援学校の教師に興味を持ったのは、進路を決める高校3年生の頃。私には自閉症の弟がいるのですが、その担任の先生が、弟と同じ目線に立って遊んでくれている姿を偶然目にし、「かっこいいな、私もこんな教師になりたい」と思ったのです。そこで、特別支援学校教員の免許が取れる大学に進学しました。
特別支援学校教員の免許状には5つの領域があるのですが、在学中には、知的障害者・肢体不自由者・病弱者に関する教育領域で免許状を取得。また、色々な免許を持っていた方が、できることが増えるのではないかと考えて、小学校教員と、中学校国語の免許も取得しました。本校に着任してからは、視覚障害者に関する教育領域についての認定講習も受け、現在は、聴覚障害者に関する教育領域の勉強も少しずつ始めています。
子どもに合わせて変わっていける教師になるのが目標です。

Q2 初任の年はどんな年でしたか?

初任の年は、知的障害教育部門中学部を担任。一日一日をとにかく必死で過ごしていましたが、何より記憶に残っているのは初任者研修に含まれる研究授業です。ベテランの先生を中心に10〜15名程度の先生方を前に授業を行い、その後の検討会で意見等をいただくのですが、とにかく大変でした。授業準備の大変さはもちろんですが、当日の緊張はかなりのもので、授業中の記憶は、実はほとんど残っていません。ただ、ふがいない自分が辛く、悔しかったことだけは、はっきりと覚えています。初任者ですから、できないことが多いのは分かっていました。それでも、知識も授業力も指導力も何もかも、全部が足りていない自分が悔しくて仕方ありませんでした。
検討会でいただいた、さまざまな意見やアドバイスをのみ込み、一歩一歩ひたすら進んでいく毎日の中、当時8人いた励まし合える同期の存在は、大きな支えになりました。

 

Q3 教職4年目、成長したと思うことは?

恥ずかしさがなくなったことでしょうか。
初任者の頃は、子どもたちの前に立つことにも緊張や恥ずかしさがありました。また、子どもたちの気分を盛り上げ、授業に向かわせるためには、教師自身が楽しんでいる姿を見せる必要があるのですが、その「見せる」ことにも恥ずかしさを感じていました。今は、子どもたちのためになるのなら、何でもできます。恥ずかしいなんて感じません。

 

Q4 子どもと接する上で、心掛けていることは?

一つは言葉を大切にすることです。分かりやすく丁寧な言葉遣いであることはもちろん、子どもたちが卒業後にも使っていけるような言葉を使うようにしています。もう一つは体の動かし方です。今年度は視覚障害教育部門小学部を担任しているのですが、できるだけ自分から動くことができるような環境づくりを心掛けています。接する子ども、担任する子どもに合わせて、心掛けることは変わります。

Q5 心に残っているアドバイスはありますか?

「辛くなったら、我慢しないで逃げなさい」。初任者として本校に着任する前、臨時的任用教員として1年間勤務していた特別支援学校のベテランの先生に掛けていただいた言葉です。
教員採用試験に合格し正規採用が決まったものの、「教師としてやっていけるのか。そもそも本当に自分は教師に向いているのか」と不安になっていた私に、そう言ってくださったのです。ふっと気持ちが楽になったことを覚えています。
ただ、今、この言葉は単に「‘‘自分のために” 逃げる」という意味だけではないと感じるようになりました。つまり、我慢しすぎて、頑張りすぎて、急に倒れてしまったりすれば、子どもたちにも周りの先生方にも迷惑をかけてしまうことになります。「“周囲のために” 逃げる」ことが必要な場合もあるのです。そうした事態にならないように、この言葉を胸に、時折、自分を振り返るようにしています。

 

Q6 読者へのメッセージを

大学生であれば、学生のうちにしかできないことを目一杯、経験しておくことをお勧めします。教師になってからではできないことも、たくさんあります。私自身学生時代には、学校や教師の仕事とは関係のない接客業など各種のアルバイトを経験しました。学校でのボランティア活動なども、もちろん大切ですが、「教師になるため」だけではない部活動やアルバイトの経験も大切にしてほしいです。
教育・学校の世界とは違う世界もたくさん見て、多くの経験を積んだ人の方が人間的に豊かになれると思いますし、そうした経験は、子どもたちにも何らかの形で還元されていくものだと感じています。

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