教壇の必殺技講座

教壇の必殺技講座・第10回・社会のカリスマ 木俣 国臣先生

栄光ゼミナールの現役カリスマ講師が、教壇に立った時のテクニックをこっそり伝授。
授業の捉え方から、細かな伝え方のテクニックまで、実際の授業におじゃまして、教えてもらいました。

面接・模擬授業でも役立つ!
栄光ゼミナールのカリスマ講師が教える
教壇の必殺技講座

第10回 社会のカリスマ 木俣 国臣先生

間違いをそのままにしない
宿題のチェックで効率アップ

「中学受験という観点からすると、4教科の中で社会科は4番手。だからこそ、短い学習時間で効果が出る授業を心掛けています。」
小学6年生の社会を受け持つ木俣先生は、家庭学習で社会にかける時間を30分から長くても1時間半以内に収めるように指導しています。というのも、算数や国語は配点のウエイトが高く、理科は割合や比など算数と直結した計算問題が出るため学習に時間がかかるから。少しでも他の教科に時間を使えるようにするためなのだと言います。
そのために木俣先生が力を入れているのが、宿題のチェックです。演習問題や復習プリント、前回の授業でやった単元確認プリントの修正が宿題として課され、生徒は自分で丸付け、直しまでやって次の授業に臨みます。授業が始まる前に、木俣先生は一人一人の宿題を見て、間違えているのに丸を付けていないかなどをチェックします。
「家庭学習にかける時間を短くしなさいと言うと、丸付けが雑になる生徒がいます。間違えたまま覚えたのでは宿題をやった意味がありません。私は水色のペンでチェックをし、『この水色がなくなるようにしていきましょう』と指導しています。」
間違えたところはプリントで何度も復習する同塾のシステムもフルに活用して、「なんとなくできた」「知っているつもり」をなくしていきます。
なお、解答は正確な漢字で書かなければ不正解。入試では漢字のところを平仮名で書くと不正解にする学校が8割に上るのがその理由です。しかし、国語のような漢字練習の教材は社会にはありません。そのため、普段から正しい漢字を書くことが、効率的な学習につながるのだそうです。
「平仮名で書かれた解答には、下線を引きます。これは『漢字で書けば丸になるよ』というメッセージなのです。」
担当する6年生の授業は週に1回。少ない接点の中で的確に生徒にメッセージを伝え、生徒のやる気を引き出したい。そんな思いを宿題チェックに込めます。

 

生徒が家に帰ってから話したくなる授業を

生徒が丸付け、修正に使う色や蛍光ペンの使い方も細かく決まっています。例えば、蛍光ペンは授業では使わない。宿題をするとき、答えが分からずテキストで確認した、その箇所に引くよう指導しています。こうすると分からなかったところが一目瞭然。テスト前には蛍光ペンが引いてあるところを重点的に勉強することで時間短縮につながります。
宿題のやり方を厳しくチェックする木俣先生ですが、授業は面白いことを前提にしています。
「面白いと思ったことは、誰かに話したくなるもの。人に話すと記憶に残るし、きちんと理解しないと人には話せません。われわれ教師は、生徒が家に帰って『今日はこんな勉強をしたよ』と話せる授業をしないといけませんね。」
歴史分野の授業では、今の暮らしに関連付けた説明をするようにしていると言います。生徒が歴史を身近に感じることができますし、最近の入試傾向として、家庭科や道徳との融合問題が社会科で出ることもあるからです。他にも、生徒が「おー!」と盛り上がる仕掛けは色々あります。間違えがちな漢字をホワイトボードに示すときには、極太のマーカーを使用。毛筆のようなインパクトがあり、生徒は大喜び。テキストの余白に、毛筆を似せて同じ漢字を書き込む生徒もいるほどです。
また、地理学を専攻していたこともあり、地図を書くのが得意な木俣先生。ホワイトボードに地図を描いて生徒に説明します。これにも生徒は「うわー、上手!」と盛り上がります。
「インパクトのある授業をすること、そして妥協しないことが大切です。もし、私に分からないことがあれば、生徒はそれを感じ取ります。逆に深い知識を教えても入試に役立たなければ意味がない。常に入試問題を研究し、生徒の役に立つ知識を教えていきたいと思っています。」

生徒一人一人の状況を把握するのも
教師として大切な仕事

木俣先生がもう一つ大切にしているのが、生徒のフォローです。
「生徒の背後にある家庭の環境や習い事、生徒の興味などにも敏感でありたいですね。そうした情報は、学習指導はもちろん、受験校の選択など進路指導においても役立ちます。他の教科は学習指導に時間がかかるので、4番手である社会を担当する私が、生徒と生徒を取り巻く環境を把握し、俯瞰して見る役割を担う必要があるのだと思っています。」
そのためにも、生徒にとって話し掛けやすい先生であるよう心掛けているという木俣先生。お弁当の時間など授業以外でも生徒と会話して、細かな情報を把握します。授業内容に関連していれば、授業中の発言や質問もウェルカム。こうした厳しくも楽しい指導は保護者にも感謝されているようです。
「宿題を厳しくチェックし、勉強のやり方に関しても細かく指導することで、生徒は『木俣先生は妥協を許さない。しっかりやらなくては』という気持ちになります。こうした生徒の学習に対する態度の変化は保護者にも喜ばれますし、私としても嬉しいものです。そして学習態度の変化は、必ず『成果=点数』にあらわれるものです。」

今月のまとめ

効率の良い学習ができる授業を徹底する木俣先生。過去には「授業であれだけ言ったのに、なんでテストで間違えるんだ!」とできないことを生徒のせいにしていた時期もあったと言います。しかし、冷静に考えると、宿題チェックが甘いなど、自分自身に改善の余地があることに気付いたそうです。生徒と向き合い、宿題をしっかりと見ることを心掛け、今では、生徒が間違って丸付けしそうな箇所などが浮かび上がって見えるようになったそうです。
短時間にしっかり学習に取り組ませ、点数に結び付ける。効率的な学習には、木俣先生の深い思いがありました。

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