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スイスイ分かる! 「新学習指導要領」スーパーガイド 第4回「国語科」 

大改訂となった新学習指導要領(2017年3月告示)。膨大な内容の中から、試験に出るポイントを12のテーマに分け、専門家が分かりやすく解説していきます。

第4回テーマ「国語科」

著/中村 孝一(常葉大学大学院教授)

 

改訂の概要をつかむ

新学習指導要領「国語科」の改訂のポイントは、小学校及び中学校の「学習指導要領(平成29年告示)解説「国語編」(以下「解説」と記す)の「第1章 総説」に詳しく書かれています。まずはこの章をじっくり読むことをおすすめします。
この章では次の2つのことが説明されています。
1 改訂の経緯及び基本方針
2 国語科改訂の趣旨及び要点
特に「2 国語科改訂の趣旨及び要点」では、「目標及び内容の構成」が変わったことや、「情報の扱い」や「語彙指導」、「学習の系統性の重視」など、国語科改訂のポイントが分かりやすく解説されています。改訂の概要をつかむ上で必読です。

 

国語科の「目標」及び「内容」の構成

今回の改訂により、「目標」及び「内容」の構成が下のように大きく変わりました。


「内容」の構成が〔知識及び技能〕と〔思考力、表現力、判断力等〕の二本柱で構成されています。
これは、国語科の「目標」が、国語科で育成する資質・能力を「国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力」と規定され、それを受けて「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の三つの柱で整理されたことを踏まえてのことです。
そこで、以下で、小学校を例に、「目標」を平成20年版とくらべながら見てみましょう。

 

平成20年版学習指導要領

 

新学習指導要領(平成29年3月告示)

国語科で育成する資質・能力が、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の三つの柱で具体的に示されていることが一目瞭然です。これを受けて各学年の目標もこの三つの柱で示されています。
また、三つの柱のうちの⑴と⑵を受けて各学年の指導事項が「内容」に詳しく記されているのです。こうした構造は、中学校でも同じです。

 

言葉による見方・考え方を働かせる子供とは?

改めて上記の国語科の目標を見てみましょう。冒頭の下線を付した「言葉による見方・考え方を働かせ、言語活動を通して」の部分が今回、新たに加わった部分です。
「言葉による見方・考え方」を働かせる国語の授業が求められているのです。この「見方・考え方」について、「総則」の「解説」では各教科において「深い学びの鍵として『見方・考え方』を働かせることが重要になる」(同P.4)と解説しています。今回の改訂の目玉である「主体的・対話的で深い学び」の実現には、見方・考え方を働かせた授業作りが鍵となるのです。
それでは、「言葉による見方・考え方を働かせる」子供の姿とはどのようなものでしょうか。「解説」では次のように定義されています。

つまり、教材の文章を読むときに、改めて意識的に言葉に着目して問いを持ちながら読み、いろいろな関係性に気付きながら読みを深めていこうとする子供の姿が求められているのです。

 

言葉による見方・考え方を働かせる授業とは?

新学習指導要領における授業例としては、例えば説明文を読む学習では、段落の役割や段落と段落のつながりの意味を考えたり、「原因と結果」「意見と根拠」「具体と抽象」などの関係性を考えたりする学習が考えられます。
また、物語文や小説を読む学習では、描写の効果を考えたり、心情の変化に着目して、どこでどのように変わったか、なぜ変わったのかを考えたりする学習が考えられます。
そしてこれらの学習を、対話を大切にしながら、多様な言語活動を通して、系統的・段階的に展開していくことが大切です。

 

主体的・対話的で深い学びに向かう授業作りのポイント

ここでは今まで述べてきたことをもとに、主体的・対話的で深い学びに向かう授業づくりのポイントをまとめてみましょう。

このポイントを踏まえて単元を構想すると、次のような手順が考えられます。

 

小学3年生 物語文『モチモチの木』での実践例

それではここで、具体的な教材で授業作りを考えてみましょう。みなさんも小学3年生の国語の教科書で読んだことのある「モチモチの木」です。主人公の弱虫で臆病な豆太が、腹痛を起こしたじさまを助けるために、夜中に1人で医者様を呼びに行き、勇気ある子どもだけが見ることができるモチモチの木の灯を見ることができたお話です。

ポイント1 全文を読み、物語の流れ(構成)を捉える
C(児童):挿絵を見ればお話の流れが分かるね。
T(教師):挿し絵を並べ替えて豆太がどんな子か考えよう。
(※挿し絵によって作品を俯瞰し、学習の見通しを持つ)
C:豆太は勇気のある子に変わったのかな。

ポイント2 単元を貫く問いを持つ〜変化に着目~
C:豆太は勇気のある子に変わったと思う。
C:最後は臆病豆太に戻ったよ。どこで変わったのかな。
T:「豆太変化カード」を書いてみよう。
(※問いを基に言語活動を位置付ける)

ポイント3 理由や根拠を明確にしながら考えを伝え合う
T:豆太が一番勇気を出したのはどこだろう。
(※自分の考えをノートに書き、話し合う)
C:表戸をぶっとばして走って行ったところです。なぜなら〜
(※文中の言葉を根拠にしながら自分の読みを説明する)
C:霜が足にかみついたところだと思うよ。だって〜(略)。

ポイント4 自分の読みの変容を振り返る
T:「豆太変化カード」を完成させよう。
C:友だちと話し合ってよかったよ。○○さんの考えも参考にしながら学習のまとめを書くよ。
(※自分の読みの変容が分かるようにまとめを書く)

 

次号では「小学校・算数 」を解説します。
※内容は変更になる可能性があるのでご了承ください。

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