個人・集団面接

山浦秀男のキレキレ理詰め! ジタバタしないための面接講座 〜第4回〜

教員採用試験の鬼門・面接。
このコーナーでは、教育界の大御所で元面接官の山浦秀男先生が、面接本番でどんな質問が出てもジタバタせずに骨太の回答を出せるよう、受験生の教育者としての本質を鍛えます。

山浦秀男
東京理科大学理学部化学科卒業後、埼玉県にて公立小・中学校教諭、埼玉県教育局主任管理主事、主任指導主事、公立中学校長、特別支援学校長、埼玉県立総合教育センター副所長、埼玉県教育局文教政策室副室長、川越市教育長、文部科学省中学校理科指導資料作成委員、JICA技術協力短期専門家(中等理数科教員研修強化プロジェクト)などを歴任し、長年にわたり生徒指導をとり入れた教科指導策定に携わる。現在、大学の非常勤講師として、教師を目指す学生の指導に携わっている。

山浦先生のキレキレ!理詰め解説

不登校に対する基本的な考え方を踏まえて回答すべき

不登校は、子どもの学力や進路保障、将来の生き方に影響を与える課題であり、生徒指導上の重要課題として取り組んでいく必要がある。中学校で不登校になる子どもの半数は小学校でその傾向が出ていると言われており、改善するためには、小学校での不登校傾向の子どもへの適切な対応や小・中学校間の連携が不可欠になる。
不登校は、どの学校、どの学級、どの子どもにも起こり得るものであり、担任や一部の教員の対応だけでは解決できない難しさがある。
さらに、不登校が継続している子どもに加えて、新たに不登校になる子どもが増えていることから「新規の不登校を生まない」ということを意識した未然防止の取り組みと早期発見がますます重要となっている。不登校の未然防止や早期発見を意識した学校の取組は、子どもが安心できる学校作りにつながるとともに、子どもを大切にする学校作りにもつながる。こうしたことを意識した回答を心掛けたい。

不登校の定義を正しく把握し回答しないと、即不合格となる

文部科学省の調査では、「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくてもできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義している。要因は複数であり、不登校はもはや特別な状況下で起こるのではなく「どの子にも起こり得る」ととらえることの必要性が確認された。同時に、広く学校に行けないあるいは行かない状態を指すものとして「不登校」という名称が使われるようになった。

不登校を「登校拒否」と呼んだり、「問題行動」と考えるような回答をすると、教師として失格の烙印を押されるので絶対に避けるべきだ。

予防的観点を質問されたら

不登校については、未然防止・早期発見の方法を問われることがある。不登校の理由はさまざまだが、ある調査によると、教職員が理由として考えているものと、子どもが理由として挙げているものには次のようなギャップがある。

【教職員が考える不登校の理由(順位)】
①友人関係をめぐる問題、②親子関係をめぐる問題、③学業不振、④病気、⑤部活動、⑥教職員との関係をめぐる問題、⑦入学・校・進級でなじめない

 

【子供が挙げる理由(順位)】
①友人関係をめぐる問題、②学業不振、③教職員との関係をめぐる問題、④部活動、⑤入学・転学・進級でなじめない、⑥病気、⑦親子関係をめぐる問題

このことから学校は、不登校予防や不登校の子どもに対するかかわりや支援において、学校側の一方的な考えによる対応ではなく、子どもの視点から考え対応することが必要だと言える。
子どもの視点から考え対応するためには、日ごろからの観察とともに個人面談や生活アンケート、総合質問紙調査等の活用が効果的である。そして、その情報を持ち寄り、教職員が情報共有をするとともに、多様な視点から具体的な対応策を考え、役割を明確にして対応することが求められる。これらを押さえて回答したい。

 

居心地のよい学級作りとは?

「自分の学級を、子どもにとって居心地のよい学級にしたい」という願いは、教師ならば誰でも抱くこと。では、子どもにとって居心地のよい学級とはどのような学級か。例えば、「自分の言いたいことが自由に話せる学級」、「仲良しの友達がいる学級」、「先生がやさしく接してくれる学級」などが考えられる。他にもさまざまなことが考えられるが、最も大切なことは、子どもが落ち着いた気持ちで過ごすことができ、「また明日も行きたい」と思える学級であることだ。
そのために必要なのが①「子どもの日常の様子の把握」だ。一人一人の気持ちをきめ細かく理解したり、子ども同士の関係やグループ同士の関係などを的確につかむことが大切である。そのためには、子どもの実態を複数の教師で観察したり、アンケート調査などで把握することが不可欠となる。また、②「学級集団作りのキーワード」も重要だ。学級には、多様な子どもが存在し、さまざまな人間関係がある。学級において、好ましい人間関係やよりよい集団を作るためには、教師が「目指す学級象」を明確に持ち、適切な指導を行う必要がある。よりよい学級集団を作るためには、自分が受け入れられていることや、必要とされていることを感じることができるような、あたたかい雰囲気が必要である。つまり、一人一人が自己有用感を実感できることが大切である。そのためには、子どもにお互いの立場を尊重し認め合うことを意識させなければならない。また、時には子どもの問題行動に対して、毅然とした態度で指導するといった、規律も欠かせない。
子ども一人一人にあたたかくやさしい態度で接するとともに、教育的愛情を持って、健全な成長を促す指導をすることが教師には求められている。

 

Question 7 まとめ

❶ 「居場所」「自己肯定感」「自己有用感」など、不登校対応のポイントとなる用語を盛り込む。
❷ 不登校には「人間関係」だけでなく、「学業不振」「非行」「無気力」など、多様な原因・背景があることを理解して回答する。
❸ 不登校は、どの学級のどの子どもにも起こり得ることだという認識を持って回答する。
❹ 不登校の定義や統計データを把握しておく。

 

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