映画・ドラマに学ぶ教育の本質 | おすすめDVD

『天国からのエール』

2011年/日本/114分
監督:熊澤誓人
出演:阿部寛、ミムラ、桜庭ななみ 他
発売元:関西テレビ放送,ハピネット
販売元:ハピネット
DVD ¥3,800+税 好評発売中
©2011『天国からのエール』製作委員会

人を励まし、希望を与え、夢の実現を促す太陽の人

吉田 和夫(玉川大学教師教育リサーチセンター客員教授/教育デザイン研究所代表/元東京都公立中学校長)

「陽」に関する映画を探していたら、偶然にもこの映画が浮かびました。この映画は、沖縄であった実話を映画化したものです。モデルとなった人物の名前は仲宗根 陽(なかそね ひかる)さん。沖縄県本部町で弁当屋をやりながら、若者たちのために借金をして自ら無料の音楽スタジオ「あじさい音楽村」を設立し、惜しくも2009年にがんで逝去した方です。
阿部寛が演じる主人公の名も大城 陽(ひかる)であり、まさに「陽」の映画であるといえます。また、単に名前が「陽」であるだけでなく、この映画の中には、お金もコネも強い意思もやり抜く力もない高校生に力を貸し、雨の日も風の日も、気持ちがめげてしまいそうなときも、まるで太陽のように明るく、元気に若者たちを励まし、希望を与え、夢の実現を促す、そんな「ニイニイ」の姿がしっかりと描かれています。
沖縄で小さな弁当屋を営む大城陽(阿部寛)は、なじみの客である高校生たちが、バンドの練習をする場がないと知り、店の前の敷地にブロックで音楽スタジオを手づくりします。そして、「挨拶をすること」「赤点を取らないこと」「人の痛みが分かる人間になること」などを条件に、彼らに無償で音楽の練習ができる場を提供します。
実は陽には、音楽好きな彼らを支えたいと思う理由があったのです。また、若者たちのために放送局に勤める昔の知人などにも頭を下げ、何とかデビューをさせたいと奮闘するのです。時に励まし、時には本気で自分たちを叱ってくれる陽を、やがて高校生たちも慕うようになるのですが、そんな陽が病に倒れて…。
この映画で主演を務めた阿部寛は、沖縄の方言を学び、2年ほど前まで実在した本人の衣服を借り、病気による臨終シーンのために3日で7kgの減量を行ったそうで、その役作りもすさまじいものがあります。
夢を叶えるには、当然本人の努力と粘り強く諦めない強い心が必要です。けれども、それは1人で手に入れられるものではなく、周りの人の理解と支えがいつも必要なのです。それを教えてくれる映画です。誰もが、きっと『北風と太陽』の童話を思い出すでしょう。

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