教員採用試験の基礎知識 | スイスイ分かる!「新学習指導要領」スーパーガイド

スイスイ分かる! 「新学習指導要領」スーパーガイド 第2回「主体的・対話的・深い学び」で 授業が変わる?!」 

大改訂となった新学習指導要領(2017年3月告示)。膨大な内容の中から、試験に出るポイントを12のテーマに分け、専門家が分かりやすく解説していきます。

第2回テーマ「主体的・対話的・深い学び」で授業が変わる?!」

著/久米 昭洋(常葉大学教職大学院准教授・PHP研究所公認ビジネスコーチ〈上級〉)

3つの資質・能力を育成するために

2017年3月31日に公示された新学習指導要領の「総則」「第3 教育課程の実施と評価」の冒頭に「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」との文言が記載されています。これまでの学習指導要領にはありませんでした。
これは、「総則」、「第1の3」に示された3つの資質・能力を子どもたちに偏りなく育成し、各教科の特質に応じた物事をとらえる視点や考え方「見方・考え方」が鍛えられるよう、さらなる授業改善の必要性を示したものです。

子供一人一人が未来の創り手となる

私たち、そして未来の創り手となる子供たちは、日頃よりさまざまな場面で「正解する」ことが求められています。
スポーツに例えるならばゴルフです。広大なホール上に1ヵ所、小さなカップが設けられ、この中にボールを入れるように1つの正解が求められます。「正解」とは課題に忠実に答えることであるため「解」は限定され、誤差は許容されません。
社会において「正解する」こと、「正解」にたどり着くことは価値ある行為に違いありません。
しかし、それ以上に「納得解」が求められる場面が多いのではないでしょうか。
企業において新たな商品を開発するプロジェクトの推進を例に挙げてみましょう。選ばれたメンバーにプロジェクトの大まかな方向性は示されるものの、新たな商品を開発するアイディアはメンバーで考案しなければなりません。そのため市場の動向や消費者のニーズを調査し、購買が見込まれる商品を具体的にイメージしていきます。しかも限られた予算、定められた期間の中で製品化していくことが求められます。
話し合いを進めていく過程でメンバーからさまざまなアイディアが出されます。AさんとBさんのアイディアを重ねることで単独では思いつかなかった優れた提案が可能になったりします。一方、Cさんも優れたアイディアを提案しますが、今回は採択されないといったケースも発生するに違いありません。
こちらはスポーツに例えるならば、野球です。ゴルフにくらべて野球は状況に応じてフェアグランド内のどこへボールを打っても構いません。最適解を求める範囲が広く、バッターはフェアグランド内でヒットを重ね、チームで協力して得点していくことで勝利を目指します。
このように、実社会においてはスポーツに限らず、人と人が関わり「納得解」を作り上げていく場面が数多くあることを、そしてそれが価値ある行為であることを私たちは経験的に知っています。
しかし、これまでの学校教育の場において、「納得解」を形成する学習の過程がどれほど用意されてきたでしょうか。「正解」が求められ、「正解」を答える能力ばかりを磨こうとしてきたのではないでしょうか。

「主体的・対話的で深い学び」で授業改善

「主体的・対話的で深い学び」について小学校学習指導要領解説(総則編)において以下のように説明されています。

留意したいのは、「主体的」とは、授業において提示される課題に挑戦的に取り組む「意欲」のみを指しているのではないということです。目の前の課題の解決には困難をともなうものもあります。その場合はどのように取り組むべきか作戦を立てなければなりません。その際、ともに学ぶメンバーと対話を重ね協議することが効果的であることはいうまでもありません。このやり方で良いのか、他のやり方はないものかと思案を重ねていきます。そして取組の改善を図り、あきらめず繰り返し取り組んでいくことによって「主体的な学び」はより強化されていきます。
これらの過程で、課題に対峙する自己の取組や自己のあり方ついて「気づき」が発生します。メタポジションで自己を認識します。このときもメンバーとの対話によって質の高いより効果的な認識へと高めてくれるにちがいありません。
このような経験(学修)を通して「学び方」が身についていきます。そして学習指導要領の解説の通り、自己のキャリア形成へとつながっていくのではないでしょうか。

効果的な授業づくりの具体例を紹介

3つの視点「主体的」「対話的」「深い学び」をもとに進められる授業や学習の改善の具体的な手法として「知識構成型ジグソー法」をご紹介いたします。
東京大学CoREF(故三宅なほみ先生)が独自に開発した学習法です。知識構成型ジグソー法の狙いは関わり合いを通して一人ひとりが学びを深めることにあり、「主体的」「対話的」「深い学び」を実現するための効果的な手法といえます。

次号では「カリキュラム・マネジメント 」を解説します。
※内容は変更になる可能性があるのでご了承ください。

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