個人・集団面接

山浦秀男のキレキレ理詰め! ジタバタしないための面接講座 〜第3回〜

教員採用試験の鬼門・面接。
このコーナーでは、教育界の大御所で元面接官の山浦秀男先生が、面接本番でどんな質問が出てもジタバタせずに骨太の回答を出せるよう、受験生の教育者としての本質を鍛えます。

山浦秀男
東京理科大学理学部化学科卒業後、埼玉県にて公立小・中学校教諭、埼玉県教育局主任管理主事、主任指導主事、公立中学校長、特別支援学校長、埼玉県立総合教育センター副所長、埼玉県教育局文教政策室副室長、川越市教育長、文部科学省中学校理科指導資料作成委員、JICA技術協力短期専門家(中等理数科教員研修強化プロジェクト)などを歴任し、長年にわたり生徒指導をとり入れた教科指導策定に携わる。現在、大学の非常勤講師として、教師を目指す学生の指導に携わっている。

山浦先生のキレキレ!理詰め解説

「主体的・対話的で深い学び」の基本を理解して答えるべし

「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)は、新学習指導要領の目玉となる考え方の1つで、「どのように学ぶか」という学びの過程を重視したもの。新指導要領の方向性を示した中央教育審議会の「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(2016年12月)では、「質の高い学びを実現し、生涯にわたって能動的(アクティブ)に学び続けるようにする」ことができるよう、「授業の工夫・改善を重ねていくこと」としている。
留意したいのは、「形式的に対話型を取り入れる」ことや「特定の指導の型」を指しているのではなく、「新たに時間を確保しなければできない」ものとしている点だ。
では一体「主体的・対話的で深い学び」とは、どのような学びなのだろうか。答申では、この言葉を3つに分け、視点を示しているので、まずここを押さえておきたい。

①「主体的な学び」

 学ぶことに興味や関心を持ち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しを持って粘り強く取り組み、自己の学習活動を振り返って次につなげる「主体的な学び」が実現できているか。

②「対話的な学び」

 子ども同士の協働、教職員や地域の人との対話、先哲の考え方を手掛かりに考えること等を通じ、自己の考えを広げ深める「対話的な学び」が実現できているか。

③「深い学び」

習得・活用・探究という学びの過程の中で、各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせながら、知識を相互に関連付けてより深く理解したり、情報を精査して考えを形成したり、問題を見いだして解決策を考えたり、思いや考えを基に創造したりすることに向かう「深い学び」が実現できているか。

説得力ある回答のためには、上記の基本を押さえた上で、具体的にどのような授業改善が求められるのかにも触れる必要がある。授業改善の考え方のヒントとなるのは、同じく新指導要領で示された「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」という3つの要素だ。

①「何を学ぶか」
各教科等で育む資質・能力を明確化し、目標や内容を構造化していくことが重視される。授業を磨いていく視点の共通化を図り、授業改善に全員で協働しながら取り組むことが求められる。
②「どのように学ぶか」
アクティブ・ラーニングを重視した授業改善。これは学習プロセスの視点に立って「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」という3つの学びで構成されている。「主体的な学び」では、習得・活用・探究という学習プロセスの中で問題発見・解決を念頭に置いた学びを示している。新しい知識や技能を習得したり、それを実際に活用して、問題解決に向けた探究活動を行ったりする中で、培った力が総合的に活用・発揮される場面が設定されることが求められている。
③「何ができるようになるか」
「主体的・対話的で深い学び」を通して、「何を理解しているか、何ができるか」「理解していること・できることをどう使うか」「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」が3つの柱になる(詳細は2017年11月号も参照)。

 

授業はどう展開すべきかを入れると精度はさらに増す!

注意しておきたいのは、「主体的・対話的で深い学び」の実現は、1単位時間の授業の中ですべてが実現されるものではないということ。単元や題材のまとまりの中で、例えば主体的に学習を見通し振り返る場面をどこに設定するか、グループなどで対話する場面をどこに設定するか、学びの深まりを作りだすために、子どもが考える場面と教員が教える場面をどのように組み立てるか、といった視点で実現していくことになる。

 

「カリキュラム・マネジメント」との関係を整理しておく

新指導要領が目指すのは、学習の内容と方法の両方を重視し、子どもたちの学びの過程を質的に高めていくことだ。単元や題材のまとまりの中で、子どもたちが何ができるようになるか」を明確にしながら、「何を学ぶか」という学習内容と、「どのように学ぶか」という学びの過程を「カリキュラム・マネジメント」を通じて、組み立てていくことが重要となる。「主体的・対話的で深い学び」と「カリキュラム・マネジメント」は、教育課程を軸にしながら、授業、学校の組織や経営の改善などを行うためのものであり、両者を一体として捉え学校全体の機能を強化する必要がある。
つまりBの回答は、学校経営の視点であり、質問から外れているということだ。

Question 5 まとめ

❶ 授業改善は、3つの視点「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」で取り組むことが必要なので、それぞれについて具体的な策をまとめる。
❷ 中央教育審議会答申(2016年12月)、新学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」に関する記述を熟読し、自分の言葉でまとめる。
❸「アクティブ・ラーニング」は新学習指導要領で重視する「主体的・対話的で深い学び」を実現させるための授業改善の視点である。

このつづきは

本誌『教員養成セミナー2018年4月号』をご覧ください!

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