躍動する若手教師

File25 鈴木瑛里佳(すずき えりか)先生 横浜市立東希望が丘小学校

笑い声に満ちていた教室が一転、
真剣に鉛筆を走らせる子供たち。
ノートをのぞきながら歩く鈴木先生が、
ふっと微笑み声を掛けます。
何を見つけたのでしょう?

Q1  学級経営の上で気を付けていることは?

教職3年目になる今年度は6年生を担任しているのですが、学級開きの4月に、3つのことを学級の目標として子供たちに示しました。
1つ目は、学級を皆が安心して生活できる場にすること。きれいな水でも、墨汁が1滴落ちただけで全体が濁ってしまうように、マイナスな言動は、少しでもすぐに学級全体に広がってしまいやすいこと。そうなったら、望むような形で卒業の日を迎えられなくなることを説明。気になる言動に気付いたときには、すぐに指導するようにしています。
2つ目は、けじめのある学級にしようということ。授業中などに、どんなに盛り上がることがあっても考える時間やノートをとる時間になったら、それに集中することを指導しています。私自身子供たちと一緒になって笑ったりすることが好きなので当初は「先生も楽しそうだから」と、私が態度を切り替えても騒ぎ続けてしまうことがありました。その都度、「もう終わり!」などと指導され、シュンとするということを繰り返していたのですが、次第にお互いの気持ちが合うようになったのか、何も言わなくても、切り替えができるようになってきました。
そして最後の1つが、お互いを思い合って認め合うこと。これは、私が最も意識して指導していることです。6年生にもなると、得意教科の違いや運動の得意不得意など、個性がはっきりしてきます。すると、学級全員で一つのことに夢中になることが少なくなってくるように感じるのです。だからこそ、お互いの個性を認め合って助け合うことを指導しています。
例えば、体育大会の長縄。大会に向けて実行委員の子供たちはもっと練習をしたい。ー方、学級にはそんなに練習をしたくない子供もいます。そこで、実行委員の子供たちに、大会に向けた想いを話してもらう機会を設けたところ、「(彼らが)そんなに言うなら」と練習に参加してくれるようになりました。子供たちは皆、何かの係り活動等を担当しています。自分の係り活動の企画等に協力してほしいのなら、他の人の企画にも協力してあげるべきです。お互いを思い、譲り合うことの大切さを知ってほしいと思っています。
実は今、卒業を前にもう1回、長縄をする機会があり練習をしているところです。前回のときは、私も実行委員と一緒になって練習を呼び掛けていたのですが、今回は私が何も言わなくても、子供たちで練習時間等を決めて行ってくれています。

Q2  校務分掌は何を担当していますか?

初任時から「特活部」に所属しています。本校では、1〜6年生を縦割りにした班を作り、班単位で遊ぶ月1回の「ロング昼休み」や交流給食といった活動を行っています。その班の構成や活動の指導を行う校務分掌が「特活部」です。初任の年は、他の先生方の仕事を見ているだけといった感じでしたが、2年目からは主任を任せていただいています。
同じ班になった子供たちが学年を問わず仲良くなるにはどうしたらよいか。限られた活動の中でお互いの顔と名前を覚えられるようにするには班の規模をもっと小さくした方がよいのではないかなど、現在、検討しているところです。
今の活動を振り返り、新しいことを生み出すことは大切です。若手教師だからこそ、「やってみたい」と思ったことを、どんどん声に出していきたいと思って取り組んでいます。

Q3  教師になって、嬉しかったことは?

たくさんあるのですが、例えば、昨年末の私の誕生日。休み時間に遊んでいるとき、子供たちから「今日のファッションチェック!」などと言われ、履いてきた靴を見せるように促されました。靴を取りに向かうと、何故か皆がついてきて、靴箱を開けると中には一人一人からの手紙がぎっしり。泣いてしまいました。
今、担任している6年生は、初任の年に4年生で担任した子供たちです。初任で担任した子供たちを、また担任として送り出したいという希望を、校長先生にかなえていただいたのです。初めて卒業生を送り出すのは、嬉しいことですが、寂しくもあります。昨年11月の合唱祭では、6年生は卒業を連想させるような歌を歌ったのですが、この時もやっばり泣いてしまいました。これから卒業式本番までには、色々な準備や関連イベントが予定されています。本番前から泣いてばかりいては、子供にあきれられてしまいそうなので、気を付けようと思っています。

Q4  読者へのメッセージをお願いします。

初任者として赴任した当初は、教え方も教材研究の仕方も分からず、先が見えない毎日でした。ただ、学生時代に予想していた以上に、周りからの助けがありました。まるで、子供をほめるように私の良いところをほめて、支えてくれる周囲の先生方には、ずいぶんと助けていただきました。
大変なことはありますが、「『自分』が教師になりたいと願って、教師になった」ということを忘れてはいけないと思っています。自分が願って教師になった以上、最善を尽くす。そうした気持ちで、子供や周囲の先生方と向き合っていれば、良いものが返ってくると感じています。そして何より、目の前にいる子供たちは可愛いものです。

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