最新号特集ダイジェスト | 論作文(論文)

新藤久典の熱血!論作文「猛トレ」〜「これなら書ける!」と飛びつくと痛い目に遭う!②

では、問題例に基づき、実際に受験生が書いた論作文を見ながら「猛烈トレーニング」を開始しよう。

猛トレ① どこがよくないのか見抜け!

次に、受験生が実際に書いた論作文を「記述例3」として掲載した。まずはこれをじっくりと読んで、問題点を考えてみてほしい。

猛トレ② ここを改善せよ!

記述例3の問題点として指摘できるのは、次の点である。
【問題点1】 序論において、スマートフォンなどが子供たちにも広く普及していることから「派生」している問題を指摘している。この点は評価できるが、具体的に示した3つの問題は、「AだからB」という論法で書かれ、一見「その通り」と思ってしまいそうだが、よく考えるとどれも主観的で、客観的根拠が示されておらず、論証したことになっていない。
【問題点2】 本論①・本論②で、アンケート調査により生徒の生活実態・意識を正確に捉えるとともに、公表されている客観的なデータを活用して題材を作成し、「主体的・対話的で深い学び」を意識した授業を構想している。実践事例としては具体的に書けており、一見どちらも説得力があるように見えるが、序論で示した3つの問題の具体的な解決策にはなっていない。そもそも、序論で示した問題について本論では全く触れておらず、「道徳的実践力」「自己指導力」の育成を唐突に持ち出し、「こうした実践を行えば序論で示した問題はすべて解決する」と言わんばかりに、強引に持論を展開している。

【改善の方向1】 スマートフォンなどの存在自体は何ら否定するべきものではなく、本来ならば子供たちが「使いこなせる」ようにしていかねばならないものだ。問題は、機能の進歩について行けず、「振り回されている」点にある。
序論で示した「いじめ」「学力低下」「体力・運動能力の低下」は、スマートフォンなどが普及する以前から存在する根深い問題だ。そこにスマートフォンなどの急速な普及が重なり、問題が深刻化・増大しているという問題の構図をきちんと踏まえる必要があろう。
したがって、この論作文の序論では、スマートフォンなどを含む情報機器や情報社会に対し、現代の子供たちが正しい理解や賢く使いこなす知識・技能が欠如している事実を指摘するのが望ましい。
【改善の方向2】 本論①の最後に示した「道徳的実践力」、本論②の最後に示した「自己指導力」は、いずれも学校教育において育んでいくべき重要な資質だ。論旨をそこへ落とし込むことを考えれば、これらの能力が情報社会を生き抜くために不可欠な能力であることを、序論で論述しておく必要があろう。

このつづきは

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