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学級経営キホンのキ 「授業を邪魔する子どもへの接し方」=「注意を心に響かせる」の巻

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「授業を邪魔する子どもへの接し方」=「注意を心に響かせる」の巻

河原田 友之(東京教育研究所主任研究員)
千葉県で37年間教員を勤め、現職。

どの学校・学級にもいる
「授業を邪魔する子」

 前号は、学級の小さな問題「忘れ物」を取り上げました。今回は、もっと大きな問題を考えます。目的意識が持てず、学校・学級に足を運ぶものの協調できずに「授業を邪魔する子ども」にどう向き合うかということです。そんな子どもに「会ったことはない」という教師はいません。教師にとっては頭が痛い問題です。

事例1 A先生はこの4月、他校から異動してきました。前任校では教務主任で担任はなし、久しぶりの4年生の担任で学年主任です。34人の子どもたちがいます。始まって2週間が過ぎ、3時間目に総合の授業で外に借りている畑に出かけました。すると、女子を中心としたグループが「面白くない。つまらない」と別の場所へ移って遊び始めました。これにつられて他の子どもたちも離れてしまいました。担任がなんと言っても聞きません。叱ったり、なだめたり指導しました。このときはこれだけで済みましたが、これを機会に子どもたちは、普段の授業でも「面白くない」「先生が気に入らない」と、どの授業も成立しなくなりました。

 

事例2 B先生は2年生の担任になりました。20年以上低学年を中心に指導されているベテラン教師。ここには、Sという授業をいつも抜け出す子どもがいます。先生が話すと大声を張り上げます。隣や後ろの子へちょっかいを出して授業を邪魔します。叱ったり、褒めたりしながら戦いの毎日が始まりました。B先生は先生方に助けを求めました。必ず誰かしらSのそばにいるのですが、クラスの雰囲気が悪くなってしまいました。

 

周囲を巻き込み
授業が成立しなくなることも

 この事例1も事例2も、一人や二人の少ない人数から始まったことがだんだんと友だちを巻き込み、授業が成立しなくなりました。まさしく類は友を呼び、朱に交われば赤くなるのです(ちなみに、事例1の4年生は、10月からの半年間、教師2人が入り指導しました。事例2のB先生は、2ヵ月を経ずして休職し担任が代わりました。)
こうした状況は決して他人ごとではありません。将来教師になるあなたにも、あなたの周りでも起こり得ることです。ベテランの教師でも起こります。ましてや、若い教師が増えている昨今、こうした状況になったときどのように対応すればよいでしょうか。

 

有効な3つの対応策

1 授業規律は絶対に必要
学力を伸ばす上で欠かせないことが、「授業規律」を育てることです。授業中のルールとして、学級ではルールを作ります。「あいさつをする」「返事をする」「他人が話しているときは話をしない」などです。規律がない学級では、子どもは決して成長しません。

2 子どもの気持ちを見きわめる
注意されたことを素直に受け止めることができない子どもが多くいます。例えば、以下のような状況がないか、その注意を受ける子どもの気持ちを見きわめることが必要です。

◯見通しが持てず、やる気がない
◯教師が元々嫌い
◯常に反抗的な態度を取る
◯いつも甘えてばかり
◯勉強がたまらなく嫌いで遊びにしか興味を示さない
◯できないことを周囲にからかわれる
◯問題の意味がつかめない
◯解き方が分からない
◯「どうせできない」とあきらめている
◯少しだけできるようになっても周囲に認められない、褒められない
◯クラスの友達とうまく関わっていない
◯家庭環境が複雑である
◯学校という環境が嫌い

 

3 子どもに合わせた叱り方をする
間違っても「大馬鹿野郎!」とか「このタコ!」などと人格を否定するような罵詈雑言を浴びせてはいけません。叱るときも愛情を持って、次のようなことに気を配ります。

・叱り方の工夫1→自分の言葉で説明させる。言い分をきちんと聞くこと。
・叱り方の工夫2→過去のことを持ち出すと、本人にも周囲の子の目にも、感情的に叱っているように見える。なぜ今自分が叱られているのか理解させるために、現在の問題に限ってのみ話すこと。
・叱り方の工夫3→ユニークな叱り方をする。「おおもろ恥ずかしバツだな、こりゃ」。これは「おお!これはモロに恥ずかしい間違いをしてしまったね」の略だが、子どもが笑いながらも「これは間違いなのだ」と気づくようなユニークな叱り方もときには効果的。

 

大切なことは、その叱り方です。どんなに教師が子どものことを思って注意しても、子どもの心に届かないこともあります。必要であれば5分でも10分でも、その子どもと正面から向きあって個別に話をしましょう。機会を設けることがいちばん大切です。

 

教える50% 、褒める30% 、叱る20%

しかしながら、子どもを叱るよりは耳を傾けるほうに力を注ぐと改善される例は多いようです。ぜひ傾聴スキルも身に付けてください。保護者の場合も同様です。まず相手の話を聞くことから始めてみましょう。
そのためにも、基本は普段から子どもと密接に関わり、適度な距離を保ちつつも良好な関係を築くことが大切です。そして、ささいなことだとしても、「スモールステップ」で、できたことを褒める。自信を持たせる。不安を払拭する。こうしてやる気を育てていきます。同時に、個に応じた課題を与えることも重要なことです。
「かわいくば5つ教えて3つ褒め2つ叱ってよき人となせ」という二宮尊徳先生の教えと言われている言葉があります。授業を邪魔する子どもには邪魔をしたくなる理由が必ずあります。色々と思い悩むこともあるかと思いますが、感情的にならずに余裕を持ちながら子どもと接するようにしたいものです。叱るという行為はときとして体罰以上の「言葉による体罰」になることを肝に銘じることが必要です。

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