場面指導

教員採用試験の場面指導 CASE 3 給食の配膳中,突然けんかが始まりました。どう対応しますか?

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。
201507_p082絵・清水ゆざめ

【ミニクイズ】このクラスの給食の配膳には問題点があります。分かりますか?

解説=中根政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

設問の状況

小学校高学年や中学校では、何気ない「からかい」や「ふざけ」から、言い争いになったり、暴力行為に発展したりすることがあります。また、日頃のからかいや相手への不満に耐えかねて、子供が怒りを爆発させてしまう場合もあります。

場合によっては大きなけがや傷害に発展する可能性もあるだけに、けんかや暴力行為は許されない行為であることをしっかりと理解させておくことが重要です。

教師としては、児童生徒理解を心掛け、言い争いや暴力行為が発生しない、豊かな人間関係のある
学級づくりをしていく指導力が求められます。

模範的な対応例

事例のような状況に対応する上でのポイントは、3点あります。①毅然として、すぐにけんかをやめさせることができるか、②双方の言い分を聞き、公平に対応することができるか、③日頃からお互いを尊重し、安心して生活できる学級づくりができているか、です。

【問】給食の配膳中、言い争う声が聞こえ、けんかが始まりました。どう対応しますか?
【答】まず、「やめなさい」と双方を注意して、けんかをやめさせます。

【問】それでもけんかをやめず、取っ組み合いになりました。どうしますか?
【答】2人を引き離し、やめさせます。場合によっては、周りの児童に協力してもらいます。

【問】興奮した2人に、どのように話しますか?
【答】昼休みに双方から話を聞くと伝え、興奮を静めさせて給食を食べさせます。その後、昼休みに2 人から話を聞き、事実を確認した上で、仲直りをさせます。

【問】その際、どのような配慮が必要ですか?
【答】どちらが悪いと決めてかかるのではなく、2人の言い分を公平に聞き、双方が納得できるように指導します。また、次の日以降も、2人の気持ちを確かめるなどして、継続的に指導していきます。

【問】お互いが納得すればよいのですが、納得しない場合は、どうしますか。
【答】お互いを理解し合うこと、感情のままに行動してはならないこと、けんかが学級のまとまりをなくすことなどを話し、諭します。

【問】けんかが発生しないようにするために、担任として日頃からどのようなことを心掛けますか。
【答】お互いの個性を尊重することの大切さを日頃から伝えていきます。けんかや暴力では、何も解決しないことも伝えます。また、自分の考えや願いを伝えることが苦手な子供が多いと思うので、授業や日常の指導の中で、気持ちの上手な伝え方を指導していきます。

【問】けんかをした子供の保護者には、事実を伝えますか?
【答】はい、伝えます。そして、お互いが納得して仲直りしたこと、学級では今後も、互いを認め合う関係性をつくっていくことを伝え、理解していただきます。

 

求められる教育的知見

学校では、生育歴、家庭環境、保護者の教育方針の違いなどに起因して、児童生徒間でさまざまなトラブルが発生します。担任としては、それを前提に児童生徒一人一人の個性と能力を伸ばし、豊かな人間関係を築き上げることに力を尽くします。具体的には、日頃からお互いの良さを認め合うこと、思いや願いをきちんと伝えること、一人一人が互いを尊重し合うことの大切を伝え、協力し合う学級をつくることです。

また、けんかの背景に安易なからかいや言葉の暴力がある場合、深刻ないじめに発展する可能性もあります。担任として、日頃から児童生徒一人一人の理解に努め、児童生徒同士の人間関係を十分に把握するよう努力することが重要です。面接官が求めているのは、そのような姿勢と資質がある人物です。

なお、この事例は、給食の配膳中のけんかとなっています。楽しい給食の雰囲気が壊れ、安全と衛生の確保も課題になります。児童生徒には、給食の意義についても、日頃から、理解させておくことが求められます。

 

類似する質問例

○ 清掃中、役割分担の言い合いで、けんかが始まりました。担任として、どう対応しますか?
○ 休み時間中、からかわれたと児童が泣きながら抗議し、器物を投げています。どう、対応しま
すか?

【クイズの答え】答えは、配膳係が帽子をかぶっていないこと。帽子着用は衛生面からも必須です。

 

 

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CASE4は、本誌『教員養成セミナー2015年7月号』をご覧ください!

 

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