論作文(論文)

新藤久典の熱血!論作文「猛トレ」〜「ものの見方・考え方」を問う問題を攻略せよ!②

では、問題例に基づき、実際に受験生が書いた論作文を見ながら「猛烈トレーニング」を開始しよう。

猛トレ① どこがよくないのか見抜け!

では、実際に受験生が書いた答案例を見ながら、解説していこう。以下は、出題テーマ「遊ぶ」について、受験生が書いた論作文だ。まずはこれをじっくりと読んで、問題点を考えてみてほしい。

猛トレ② ここを改善せよ!

記述例3の問題点として指摘できるのは、次の点である。
【問題点1】序論において紹介している体験は、確かにその通りとも言えよう。2017年3月に告示された新しい幼稚園教育要領において、「幼児の自発的な活動としての遊びは、心身の調和のとれた発達の基礎を培う重要な学習である」との規定もある。しかし、幼稚園教育要領は、あくまで「幼児」の発達段階を考慮し、「幼稚園教育」の特質に応じて定めたものであり、小学校以降の教育にそのまま当てはめて論じることには無理があろう。教員採用試験の論作文は、子供の発達段階をよく理解して、記述せねばならない。
【問題点2】本論①において、学級レクリエーションを取り上げたこと自体は問題がなかろう。しかし、人間関係上の課題は、この人が書いているような単発的な活動だけで解決されるものではない。子供の人間関係は、学校の全教育活動に深く関わるものであり、各教科・領域等の教育活動全体を通して築かれていくものだ。その点をよく理解して記述する必要があろう。
【問題点3】本論②において、この受験生は定期考査の予想問題を作成し、相互に教え合う方法を挙げている。この学習法は、「主体的・対話的で深い学び」の有効な方法として、全国の学校で実践されているものだ。しかし、この学習法は単元全体の指導計画の中に位置付けた上で、各教科ごとに行われるべきである。それとは関係なく、「教科係」を中心とした学級活動の一環として行うことは想定されていない。中学校は教科担任制であり、それぞれの担当教員がその専門性に応じて指導することを前提としている。テレビ番組を真似して遊び感覚で学ばせようとする意欲は認めたいが、学級担任が他教科の指導をすることはできない。教職に対する正しい理解が求められよう。

【改善の方向1】幼稚園教育における「遊び」の意義は、幼稚園教育要領にも示されている通り、「幼児の自発的な活動」としての遊びにあると言えよう。そして、その「遊び」は、教員の意図的・計画的な指導計画に基づきなされる教育活動なのだ。その点を踏まえ、小・中学校の児童生徒にとっての「自発的な活動」は、「主体的・対話的で深い学び」であると考え、そこに「遊び」の要素を組み入れることを提案するとよかろう。
【改善の方向2】本論①の「学級レクリエーションの活用」という発想を生かすためには、全国の学校で用いられている、学級における児童生徒の相関関係を明らかにする教育・心理検査(「Hyper-QU」など)を活用する方策を挙げてみてもよい。検査を通じて児童生徒の人間関係の特徴を科学的に分析した上で、不登校やいじめを防止し、温かな人間関係を構築する日常的な取り組みを提案する。その上で学級担任としてどう関わるかを説明すれば、説得力があろう。
【改善の方向3】本論②は、教科担任としての方策を述べたいところだ。具体例として、児童生徒の主体的な学びを組織し、小集団で協働して課題を解決する学習などが挙げられる。さらに、「達成感」や「充実感」を味わわせる学習活動も体験させたいところだ。「遊び」という言葉には「ハンドルのあそび」のように、「ゆとり」という意味があることに注目し、教員の指導計画通りに進めるのではなく、児童生徒の学びの実態に即して時間や活動に幅を持たせるという提案もよかろう。
では、具体的にどのような論作文が高く評価されるのか。次に示す記述例4に学んでほしい。

 

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