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『市民ケーン』

1941年/アメリカ/119分
監督:オーソン・ウェルズ
出演:オーソン・ウェルズ,ジョセフ・コットン 他
発売元:アイ・ヴィー・シー
DVD ¥3,800+税 Blu-ray ¥4,800+税

 

本当にNo.1の映画

 何とも古い映画だとお思いでしょう。1941年の米国映画でしかも白黒ですから、劇場で観たことのある人は皆無だと思います。でも、ぜひ見てほしい映画なのです。
しかし、この映画、実に今月のテーマ、「一」という数字に最も関係していると思われる作品です。世界映画史上ベストワンとして常に高く評価されています。なぜなら、この映画の監督であったオーソン・ウェルズがとんでもない天才だったからです。わずか26歳にして、当時の映画ではほとんど使われなかった大胆な映画技法を駆使し、主演と監督でその天才ぶりを発揮しています。回想法により物語の時間配列を解体し、関係者の証言をさまざまな視点から織り込み、主人公の孤独で虚無的な生涯を見事に浮かび上がらせる構成。まるで舞台上の演技を思わせる長回しの多用。画面の前景から後景まですべてにピントを合わせ、奥行きの深い構図を作り出すパン・フォーカスという撮影手法。浮世絵の写楽を見るような極端なクローズアップ。視野を広げる広角レンズの使用。穴の開いた床からローアングルで撮影する奇抜な技法等々。実に素晴らしい技巧の数々が用いられています。
そしてこの映画、オーソン・ウェルズ演じる主人公のケーンが、実在した新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルにしていたことから、露骨な上映妨害運動が展開され、数多くの嫌がらせを受けたことでも有名です。権力者の嫌がらせですね。第14回アカデミー賞では作品賞など9部門にノミネートされながら、脚本賞のみの受賞となるなど、歴史に残る「圧力」と「忖度」でアカデミー賞そのものの価値も大幅に引き下げています。
英国映画協会が10年ごとに選出するオールタイム・ベストテンでは5回連続で第1位に選ばれ、2015年BBCによる史上最高のアメリカ映画100本でも見事第1位となる映画。今の日本の世相にもつながるこの映画、絶対にお勧めです。

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