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「臨任」って何? 再チャレンジ組が知るべき基本情報

教員採用試験“再チャレンジ組”の多くが着任している「臨時的任用教員」。具体的にどのような職種・立場で、どのような仕事をしているのでしょうか。まずは基本情報を解説していきます。

 

「臨任」とはどのようなものか

 「臨任」とは、 正式に「臨時的任用教員」「臨時的採用教員」などと言い、文字通り「臨時的」に雇用される教員のことです。略して「臨任」「臨採」「常勤講師」などとも呼ばれ、全国の多くの自治体で採用されています。
正規教員との違いは、「臨時的」という名称の通り、雇用契約に期限がある点です。契約は、概ね年度単位となっていて、どんなに長くとも1 年間、3月末でいったん終了します。ただし、翌年度も再び臨任として雇用される人もいます。
臨任には、ピンチヒッター的なイメージを持つ人もいると思いますが、実際には、正規教員と何ら変わらない仕事を任されます。小学校では担任を持つこともありますし、中学校では部活動の顧問を持つこともあります。校務分掌も割り当てられ、行事運営等にも携わります。出退勤の時間も、正規教員と同じ。つまり、表向きは正規教員と何ら変わらない仕事を任されるわけです。
そのため、児童生徒や保護者が、そうした立場の教員とは知らず、正規教員だと思って接している場合も少なくありません。さらに言えば、同じ学校の同僚にすら、正規教員だと思われているような場合もあります。この点は、その学校の校長先生が、どのように周知するかによって違ってくるようです。
「同じように仕事している人を、なぜ正規教員として雇わないのか」そう思う人もいることでしょう。各自治体が、臨任として雇う理由は、産休・育休などで休んでいる教員の“穴埋め”をするためです。休職者がいずれ復帰することを考えれば、正規教員を増やせない実情があるわけです。

 

「臨任」の給与・待遇

 臨任は、正規教員と何ら変わらない量の仕事をこなします。そのため、給料も相応の額が支払われます。大学を卒業したばかりの臨任に支払われる給料は、同じ年齢の正規教員とさほど差がなく、ボーナスも支給されます。生活していく上では、十分な待遇が用意されているといえます。
「ならば、教員採用試験を受験せず、臨任として雇われ続けてもよいのでは?」
そう考える人もいるかもしれません。しかし、年数を重ねていけば待遇面の差は少しずつ顕著になりますし、年金・社会保障等を含めて考えれば、その差は歴然です。その意味で、やはり教員採用試験に合格し、正規教員となることをお勧めしたいと思います。
もう一つ、非正規雇用の教員としては「非常勤講師」があります。こちらは、臨任と違い、担任や部活動顧問を持つことはありません。給料は、実施した授業時数分だけ支払われ、ボーナスもありません。そのため、非常勤講師の収入だけで生活をしていくのは、現実的に厳しいものがあります。

「臨任」になるまで

 臨任は、都道府県・市町村の教育委員会が募集を行っています。近年は、教員の若返りが進んだことから、産休・育休を取得する教員の数が増え、結果として臨任の採用が増えています。特に小学校では、臨任による穴埋めが追い付かず、困っている学校も少なくありません。こうした状況もあり、現在は比較的、臨任になりやすい状況にあるといえます。
とはいえ、誰でもなれるかといえば、そうではありません。当たり前ですが、教壇に立つ時点で、教員免許状を所持している必要があります。そのため、大学生が教職課程の単位を落とし、免許状を取得できなかった場合は、たとえ大学を卒業していても、原則として臨任になることはできません。
臨任として着任するまでの一般的な流れは、次の通りです。まず、募集を行っている教育委員会から書類を取り寄せ、必要事項を記入・提出をして「登録」をします。次に、教育委員会から連絡があり、面接等による「選考」が行われます。その結果、教員としての適性があると判断されれば、正式に臨任として「採用」が決定します。
ただ、採用に至るまでのプロセスは、自治体によって微妙に異なっています。大学生の場合、まずは教職相談室等の先生、大学の窓口等に相談をしてみるとよいでしょう。

「臨任」になるべきか、それとも「非常勤講師」か

 教員採用試験“ 再チャレンジ組” の多くは、臨任として働きながら、次年度の合格を目指しています。しかし、中には臨任ではなく、あえて非常勤講師など他の道を選ぶ人もいます。なぜなのでしょうか。
一番の理由は、教員採用試験合格に向けた対策時間の確保です。先述したように、臨任になれば、他の正規教員と同じように、多くの仕事を割り当てられます。担任や部活動顧問を任されれば、日々の忙しさは相当なものになります。特に1年目は、仕事に慣れないことから、授業準備などに忙殺される日々が続くことでしょう。
そのため、4月以降は教員採用試験対策に割ける時間が、ほとんどなくなります。特に1次試験が行われる6月末〜7月下旬は学期末のため、通知表の作成等で大変です。その結果、ほとんど対策できずに試験本番に臨み、不合格となってしまう人も少なくありません。
それに比べて、非常勤講師の場合は、臨任に比べれば、圧倒的に時間的余裕があります。担任を持たないため、通知表の作成に追われることもなければ、急な事故・トラブル等の対応に追われることもありません。毎日、自身が立てた計画通り、着実に学習を積み重ねていくことができます。
臨任になるか、それとも非常勤講師になるか、判断基準の一つは“ 学習の進度” です。「自分は筆記試験に不安がある」という人は、非常勤講師になって、しっかりと学習時間を確保する方が得策かもしれません。試験の成績開示はどの自治体でも行っているので、自身の結果をよく分析した上で判断してください。
なお、再チャレンジ組の中には、臨任にも非常勤講師にもならず、純粋な“ 浪人生” を選択する人もいます。この場合、対策時間はたっぷり確保できますが、論作文試験・面接試験で現場経験の不足がネックとなる可能性があり、その点は割り引いて考える必要があります。

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