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学級経営キホンのキ 「学級通信」=「子どもたちと保護者への心の架け橋」の巻

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「学級通信」=「子どもたちと保護者への心の架け橋」の巻

河原田 友之(東京教育研究所主任研究員)
千葉県で37年間教員を勤め、現職。

1年で200号以上発行

 初任時代の私は5年3組の担任、I先生は3年目で6年1組の担任。2人で学級通信の発行回数の勝負をしたことがあります。最終的にはI先生は245号まで発行しました。私はいうと、243号でした。2人でよくこんなに出したものだと最後は讃え合ったことを思い出します。40年以上前の熱い思い出です。今はコンピュータの時代ですから若い読者の方はご存知ないと思いますが、当時はまだガリ版で刷っていた時代です。
なぜ、学級通信をI先生と競ったのでしょうか。「誰にも負けない最高の学級をつくろう」それを合言葉で始めたのです。学級経営の基本は、クラスのありのままの姿を子どもたちと共有すること。I先生と私は、学級通信を学級づくりの手段として活用しようと考えたのです。

学級通信で取り上げたこと

当時の学級通信では、学級づくりのために、次のようなことを載せました。

①授業での子どもたちの反応や意見→1時間のある一コマを切り取って載せました。
②子どもたちに書かせている班ノートや生活ノートの内容→ここには学級での子どもたちの不満や悩みも載せましたが、子どもたちが挙げた友達の良いところなども書きました。また、家庭での親子の会話なども載せました。
③保護者や兄妹からの「ひとこと」→この欄をつくると、保護者などから毎日4〜5通ほど「ひとこと」が届くようになりました。
④今起きている学級の問題→隠さず載せました。
⑤私の失敗談→折にふれて載せました。
⑥これからの学習や行事で用意するもの→学校だよりや学年だよりにも載っているものですが、繰り返すことで忘れ物をなくすことにつながると考えました。

 こうしたことを毎号の学級通信に掲載したのですが、I先生とお互いに絶対に守ろうと決めたことがあります。それは、決して授業準備や教材研究をしなかったり、子どもたちとの遊びをないがしろにしたりしてまで、学級通信をつくらないということです。学級通信は、よく学び、よく遊ぶ中でつくらないといけないのです。

授業力が学級通信にあらわれる!

 発行回数でI先生を超えられなかった私ですが、内容面でもI先生の学級通信を超えることはできませんでした。なぜでしょうか。授業力の違いを、ことあるごとに見せつけられたのです。I先生の学級をのぞくと、どの子も楽しそうに目を輝かせて学んでいます。学級通信には、そうした輝く子どもたちの発言や感想、行動(つまり子どもたちそのもの)があふれることになるのです。帰り際に学級通信が配られると、子どもたちは夢中になって読み、そうした子どもたちの様子は、やがて保護者のもとへ届いていくことになります。私のクラスもそうですが、この学級通信は、親子を結ぶものになっていました。さらに、I先生の場合は、卓越した授業力が、生き生きしたネタを生み出していたのです。

 

 

学級通信の効果

 学級通信がもたらす効果を考えてみます。なぜ、学級通信を出すのでしょうか。小学校低学年の場合、読み手は子どもよりも保護者の方が多いこともありますが、高学年からは子ども自身にも届きます。保護者は、子どものがんばりや学級の様子を知ることで、安心でき、学校への信頼を感じることができます。この安心感は子どもたちとの絆を深めることにもなるのです。保護者にとっては、自分の子どもの交友関係がうまくいっているか、いじめがあるのではないかなど、心配になることがたくさんありますが、学級通信はこれを少しでも払拭する大事な役割をもっています。

 

適切な分量と内容

 学級通信は、教師が負担と感じるときには続きません。学級づくりの手立てですから、学級通信など出さなくても子どもとの関係や、保護者との連携がうまくとれるのであれば無理することはないことはいうまでもありません。分量も内容との関係性があります。まとめると、次のような内容になるでしょう。

①活動内容に関すること→クラスの出来事、子どもの様子、行事やイベントの楽しい報告、授業の様子など。
②指導方針に関すること→学級目標、担任としての願いや思いなど。
③子どもたちの活躍に関すること→子どもの作文や作品、ノート紹介など。
④役割の紹介に関すること→係や委員会、部活動やクラブなど、仕事内容やメンバー紹介など。
⑤連絡やお知らせに関すること→持ち物や準備するものの連絡、これからの学習や行事予定、保護者へのお願いなど。
⑥その他→詩、ことわざ、保護者からの手紙など

 

注意点

 学級通信は子どもと保護者と教師をつなぐ心の架け橋の役割を持っています。こうした意味からも、ちょっとした不注意からトラブルになることは避けなければなりません。こんなことに少しだけ注意します。

①どの子も平等に取り上げること。
②文章は簡潔、平易な表現で、専門用語は避けること。
③保護者への敬意と感謝の意を忘れないこと。
④写真など個人が特定されるものについては事前に保護者の承諾を(住所、電話番号などの個人情報は載せない)。
⑤学級通信の発行は担任の自由だが、公文書であることから担任の生き方や人生観を押し付けないこと。

 教材研究、生徒指導、さまざまな会議、連日遅くまでかかる中、学級通信に追われては教師の使命、「授業で勝負する」ことから逃げてしまうことになります。授業を通して子どもたちと良い関係をつくり、その様子を保護者に知ってもらうことでさらに関係が深まる。だから学級通信に意味があるのです。これから教師を目指すみなさんも、「どうしてもやらなければならない」と考えないでください。ただ、教師にとって大事なことは文章をきちんと書けるということです。話すだけではなく、きちんとした文章が書ける教師を目指してほしいのです。

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