最新号の内容 | 教壇の必殺技講座

教壇の必殺技講座・第4回・理科のカリスマ 霜田 富夫先生

栄光ゼミナールの現役カリスマ講師が、教壇に立った時のテクニックをこっそり伝授。
授業の捉え方から、細かな伝え方のテクニックまで、実際の授業におじゃまして、教えてもらいました。

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栄光ゼミナールのカリスマ講師が教える
教壇の必殺技講座

第4回 理科のカリスマ 霜田 富夫先生

大事なことは繰り返し説明し、
知識を確かなものに

「問2は難しいけれど、問1の問題は確実に正解を出してくださいね。時間は5分でいいかな。」
そう言うと、霜田先生はタイマーをセットしました。小学6年生の理科、「入試問題を始めるにあたって」という夏期講習でのことです。始めに取り組んだのは、酸化物の問題。問1はマグネシウムの加熱前と加熱後の重さの違いに着目し、算数の「比」を使って計算する問題です。
5分後、問1の計算のやり方を説明した後で、霜田先生はマグネシウムを加熱すると何色になるか子供たちに聞きます。「マグネシウムは燃やすとまぶしい光が出て、白くなるんだったよね。」加えて、酸化鉄や酸化銅の色の変化についても、「銅、鉄、マグネシウムの変化は試験によく出るから覚えてね。」と強調し、「変化の様子はYo u Tu b e なんかに出ているから見てごらん。」と促しました。
問題を解くだけでなく、付随する知識を確認する様子が、1時間の授業の中で何度も見られました。その訳を、中学入試の理科は、計算問題が2割程度、記述や作図が1割程度で残りの7割程度が知識を問う問題だからだと霜田先生は言います。
「『酸化マグネシウム』など、理科では日常生活では使わない言葉が多く出てきます。繰り返し説明し、質問することで、知識の定着につながります。今日の授業では、6年生になってから塾で理科の授業を受け始めた子もいたので、問題に含まれない周辺知識も確認しながら授業を進めていました。」
さらに、知識を覚える際には動画を利用することも有効だそうです。なぜなら、中学入試は、実験や観察に絡めた出題が多いから。蝶々結びができる人なら、結び方を言葉で説明するだけで伝わりますが、できない人はさっぱりイメージできません。それと同じで、実験の経験があるのとないのとでは、理解の深さが違ってきます。実験の様子を動画等で確認して、イメージをつかむことが大切なのです。

日常耳にしない単語が並ぶホワイトボード。
周辺知識も含めて,何度も説明していきます

子供が自分で「あっ!」と気付く瞬間をつくる

問2は、表を見てマグネシウムと銅が混ざった酸化物から元の質量を計算する問題です。さすがに難しいとみえて、途中で子供たちの手が止まってしまいました。
「表の問題は差に気が付くことが大切だね。でも、問題の表には隠れているところがあるから、差に気づきにくい。自分で補うとすぐに分かるよ。」
問2の表は、時間の経過と銅の重さの変化が書かれていますが、途中が抜けているため、何グラムずつ増えているのかが分かりにくいのです。霜田先生はホワイトボードに表を書き、解き方を説明していきます。
「0分のときの重さは4.4g。これが、銅の重さ。欠けているところを補うと、5分までは0.2g ずつ増えているのが分かるね。6分以降はずっと5.5g なのはなぜか分かる? そう、銅が全て燃えてこれ以上酸素が結び付かないからだね。」
問題の内容を整理した後は、解法の説明です。この問題は算数の鶴亀算を使えば解けることを確認し、面積図を書いて解くことを説明。
「これで解き方は分かったかな。じゃあ、もう少し時間をあげるから自分で解いてみよう。」
説明をしたら、最後は子供たちに解かせることを霜田先生は大切にしています。
「解法が分からず悩んでいるだけだと、子どもはやる気を失います。また、解説を聞いて解き方が分かっても、式をノートに写して終わってしまう子が多い。ヒントを多く出して、子供自身が『あっ!』と気付く瞬間を作る。そして、自分で解いてみることが大切だと思うんです。」

「声に出す」「一問ずつ解く」
—家庭学習まで指導

家庭学習にもコツがあると霜田先生は言います。女子に多く見られる傾向として、テキストの太字部分や大事なところなどを、授業中に蛍光ペンできれいに色分けしておき、後から読み返して覚えていく勉強方法がありますが、マークが多くなりすぎて、どこを覚えたら良いか分からなくなってしまっている様子も見られるそうです。霜田先生が薦める家庭学習は、声に出すこと。読み返すだけでなく、大事なところを声に出すと、視覚情報に加え、音声情報としても頭に入ってくるので、覚えやすくなると言います。また、理科の試験では漢字を忘れたとしても、仮名で書ければ正解となることが多いため、音で覚えることが有効なのです。さらに、知識を問う問題は、さまざまな角度から出題されるため、単語で覚えるのではなく、文章で覚えてイメージを持つことを指導しているそうです。
もう一つ大切なのが、家庭学習における問題の解き方です。
問1から問3まであったとすると、1から3まで一気に解き、その後、全ての問題の答え合わせをする傾向が特に男子に多く見られると霜田先生は言います。
「一気に問題を解くと、もし間違えた考え方をしていた場合、最後にまとめて修正することになります。すると、修正した知識より間違えたままの知識の方が記憶に残りやすくなってしまうのです。1問ずつ解いては答え合わせをする、という方法が大切です。」
授業でも、一つ一つ知識を確認しながら丁寧に解法を説明していく霜田先生。「問題の中に隠れていることを探して、自分で補うんだよ。」正答を導き出すためのポイントを繰り返し説明して授業が終わりました。

今月のまとめ

理科で問われる知識と計算。その2つをバランス良く教えながら、ポイントとなるところを強調する霜田先生。計算問題は、特殊算を使うものもあるため、算数の進度に合わせた解説も行っていると霜田先生は言います。「理科は日常生活に役立つものが多くあるので、身の回りのことにも興味を持ってほしいですね。受験のためだけでなく、ひいては人間関係に役立つと考えています」という言葉が印象的でした。

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