最新号の内容 | 躍動する若手教師

File22 今野絵里花(こんのえりか)先生 相模原市立共和中学校

「この式は1次関数と言える?」
授業中、何度も繰り返される質問。
生徒の理解を促すために、
大事なことは意識して繰り返す。
「だから、この式は1次関数と…?」
今野先生の問い掛けは続きます。

Q1  初任の年はどんな年でしたか?

2年生の担任を受け持っていたのですが、専門である数学の教科指導については、1年生も担当していたので、2学年分の授業準備に追われていたことを覚えています。ただ何より大変だったのは、教師としての「適切な指導」がなかなかできなかったことです。例えば、授業でグループ活動を取り入れたとき、話し合いが上手くいっていないグループを見つけても、どう介入したらよいのか分からない。女子バスケットボール部の顧問になったものの、経験がほとんどなかったため、話を聞いてあげることくらいしかできない。

できないことや上手くいかないこと、失敗もたくさんありましたが、他の先生方の授業見学を繰り返し、「いいな」と思う指導方法を取り入れて授業を改善していきました。部活動指導についても、一緒に指導に入ってもらっていた部活動指導員からアドバイスをいただいて、少しずつ指導を覚えていきました。

 

 

Q2  授業の上で、心掛けていることは?

数学は苦手な生徒の多い教科ですが、苦手になるきっかけは、「分からない」「解けない」経験の積み重ねです。苦手にさせないためには、授業が「分かった」と思えることが必要です。そこで、重要事項については、初めは数学が得意で理解できていると思われる生徒に質問し、2度目、3度目は自信がなさそうに目をそらす生徒をあえて選んで質問するなど、意識して同じ質問を繰り返すことで、理解を後押しすることを心掛けています。また、教師に質問するのは苦手でも、友だちになら質問しやすいという生徒もいるので、できるだけ毎時間グループ活動を取り入れ、生徒同士で話し合い、 教え合う時間を設けることで、分からないことが残ってしまわないようにしています。

以前は生徒にノートを取らせる形の授業をしていたのですが、 板書を書き写すことより、問題を解いたり、考えたりする時間を大切にしたいと考えて、今は自作のプリントを基本に授業を行っています。生徒の反応は、「ノートでもプリントでも、どちらでも構わない」という感じでしたが、数学が苦手でノートを取ることも面倒になってしまっている生徒にとっては、要点がまとまったプリントに書き込む方が取り組みやすいのではないかと感じています。

Q3  教員採用試験に向けた学習のうち、今につながっているものはありますか?

学習指導要領には今でも度々目を通しています。研修や研究授業などで指導案を作成する際には、指導例や単元のつながりなどが示されている学習指導要領(『学習指導要領解説書』)の確認が欠かせません。最近、新学習指導要領も読み始めました。

受験生時代は、学習指導要領のどこが重要なのかがよく分からず、採用試験で出題率の高い「総則」を中心に、何度も出てくる重要用語を覚えることが中心の読み方でしたが、教師になってからは、「総則」ではなく、指導する「教科」の部分を中心に読むようになりました。

 

Q4  教師になる前に、やっておくと良いと思うことは?

「この単元を、こう指導したい」という、 授業の構想を練っておくことでしょうか。正規教員になると、授業以外にも部活動指導や校務分掌などさまざまな仕事があり、授業準備に十分な時間を取ることが難しくなってしまうことがあります。しかも自分が生徒として授業を受けていたころとは、教科書も指導内容も変わっています。自分が受けてこなかった内容の授業をしなくてはならないこともあります。時間に余裕のある間に、現在使われている教科書を読んで、一つ一つの単元について、どんな授業展開をしたいのか、取り入れてみたい取り組みなど、 授業の構想を色々と考えておくと良いと思います。

私の場合正規教員に採用される前に、非常勤講師として1年間、勤務していたことがあります。採用試験の対策はありましたが、それ以外、授業のことだけを考えて過ごすことができたその1年間の積み重ねが、今とても助けになっています。

 

 

Q5  今、自分はどんな教師だと思いますか? 今後、どんな教師になっていきたいですか?

生徒からは、距離が近く、話しやすいと思ってもらえているのではないかと感じています。初任者のころは、その距離の近さから、生徒を「叱る」指導ができずにいましたが、今年4年目を迎え、生徒に伝わる「叱り方」「話し方」が少しずつ分かってきたところです。とはいえ、またまだ周囲の先生方にアドバイスやこ指導をいただくことも多いですし、課題もあります。周囲に助けられ、教わることの多い状態ですが、いずれは私も若い先生方を助けてあげられるようになっていきたいと思っています。

私にとって、教師は一生続けていきたい大好きな仕事です。生徒には、自分にできる最善のことをしてあげられる教師でいたい。そういう自分でいられているかどうか、自分自身を省みることを忘れずに、生徒と向き合っていきたいと考えています。

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