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Q&Aで分かる 「生徒指導提要」の基礎のキソ

そもそも「生徒指導提要」とは、どのようなもので、全体の構成はどのようになっているのでしょうか。ここでは、「生徒指導提要」を読み解く前に必要な基礎知識を、Q&A形式で解説します。

 

Q1 そもそも「生徒指導提要」って何?

A 学校・教職員に向けて「生徒指導」の理論や実践方法などを、分かりやすく解説した「基本書」です。

 現代社会では、核家族化や都市化が進んでいます。児童生徒を取り巻く環境も大きく変化しており、学校には、多くの役割が期待されています。例えば、いじめや児童虐待、インターネットを通したトラブルの防止、子供の貧困など、さまざまな問題に学校が積極的に関わっていくことが求められるようになってきました。こうした問題の対応に苦慮するケースが増えるにつれ、生徒指導については、さまざまな知見や手法が提唱・開発されるようになりました。
こうした状況を踏まえて、生徒指導の基本書として、2010 年に文部科学省が発表したのが、「生徒指導提要」です。ここには、学校の先生や教育委員会の担当者が現場で活用できるよう、幅広い生徒指導の理論から実践方法が1冊にまとめられています。

ワンポイント
そもそも「生徒指導」って何?

「生徒指導」と聞くと、少し強面の生徒指導担当の先生や「持ち物検査」「校則」などをイメージする人もいるだろう。子供の問題行動に対処・指導するのが、「生徒指導」であると考える人も少なくないはずだ。
しかし、生徒指導は、実際には、より幅広いイメージで捉える必要がある。問題行動への対処にとどまらず、子供の「社会的資質や行動力」を高めることを目的として行われるものが本当の「生徒指導」だ。
ここには、発達障害への対応や子供に対するカウンセリング、道徳性の涵養なども含まれている。つまり、「学習指導」を通じて「学力」を高めていくのと同様、「生徒指導」を通じて「人間性」を高めていくことが求められているともいえる。
なお、「生徒指導」という名称は、全校種に共通するもの。小学校だからといって「児童指導」とはいわないので、注意が必要である。

 

Q2 法的にはどんな位置付けなの?

A 「提要」には、法的な拘束力はありません。現場での実践に役立つ「手引き」のような位置付けです。

 「生徒指導提要」は、文部科学省が示したものではありますが、学習指導要領とは違って、法的な拘束力があるわけではありません。「提要」とは、「ある物事の要点や要領を取り出して示すこと」という意味です。あくまで、現場で生徒指導を行う際に参考となるポイントをまとめたもので、「要領」や「指針」と比べても、拘束力は緩やかなものといえるでしょう。
なお、「生徒指導提要」は、市販もされています。さほど高くないので、1冊購入して、手元に置いておくのもよいでしょう。

 

Q3 誰が、どんな手順で執筆したの?

A 各分野の専門家が執筆しました。「です・ます調」で、語りかけるような文体になっているのが大きな特徴です。

 「生徒指導提要」の作成に当たっては、研究者や教育委員会の関係者、学校管理職、保護司などによる協力者会議が設けられ、議論の上、全体の方向がまとめられました。その方向性をもとに、各分野の専門家が執筆しました。
最大の特徴の1つが、「です・ます調」になっていること。 文部科学省のほかの答申や報告書などに比べて、「読みやすさ」が重視されています。
また、「索引」が付いていることも特徴の一つです。先生が、ある事柄についての知識を得たい、対処法を知りたいと考えた場合、索引から、該当のページにたどり着くことができます。こうしたことからも、「生徒指導提要」は学校現場での実践に重きが置かれていることが想像できます。

 

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