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教職大学院での学び― 宮城教育大学教職大学院 ユニット長&院生 インタヴュー

2018年4月には若手教員として教壇に立つことが決まっている、ストレートマスター2年次の2人の院生と、彼らのユニット長である田幡憲一教授に、同学での学びについてお話しいただきます。

写真左:田幡憲一教授 
中央:鈴木貴大さん(ストレートマスター2年次・校種教科:中学理科) 
右:藤本創さん(ストレートマスター2年次・校種教科:高校物理)

 

― 宮城教育大学の教職大学院への進学を決めた理由は?

鈴木貴大さん(以下「鈴」):学部生時代の教育実習などを通して、自分には教師としての力量がまだまだ足りていないことを感じていました。授業力・指導力を深めてから学校現場に出たいと、教職大学院への進学を決めました。理科教員として、その専門性を高められる環境を考えたとき、「教科・領域専門バックグラウンド科目群」が充実している宮城教育大学の教職大学院を選びました。

藤本創さん(以下「藤」):私も、学部4年生のときの教育実習の経験で、授業力を高める必要性を痛感しました。在学していた大学の修士課程に進学を予定していたのですが、授業力を高めるには教職大学院の方が適しているとアドバイスをもらい、進路を変更。宮城教育大学の教職大学院は、「教員ユニット」による指導など、指導体制が充実しているところに魅力を感じました。

 

― 「教員ユニット」による指導とは、どのようなものでしょうか?

田幡憲一教授(以下「田」):それぞれの院生の研究テーマに適した教員が、複数名で「ユニット」を組み、研究支援に当たるシステムです。カリキュラムで言うと、「実践的指導に関する科目」と「学校における実践研究」がユニット指導の対象になります。ユニット長として担当する院生とは、「実践的指導に関する科目」で週1回は顔を合わせ、研究の進捗状況を確認します。また、教育実習先と連携し、観察に行ったりもします。私の場合、この2人以外に7人の院生のユニット長をしています。

 

― お二人にとって、田幡先生はどんなユニット長でしょうか?

藤:抱えている疑問が解決するまで一緒に考えてくださるなど、とても面倒見の良い先生です。直接の指導はもちろんですが、教職大学院の専任でない先生の指導が受けられるように調整してくださったりもします。

田:彼の研究テーマは物理に関するもので、かなり専門的になる部分があります。私の専門は理科でも生物なので、物理を専門とする教員にユニットに入ってもらいました。教員ユニットに入っていない教員でも、必要に応じて、指導を依頼することはよくあります。

藤:私の場合、学部で指導している先生を紹介していただいたので、高校生向けに考えた物理の実験を学部生にやってもらう機会を持つことができました。実験の際には、その指導もさせていただいたのですが、自分と高校生のちょうど中間に位置する学部生からの感想は、高校生に対する指導を考える上で、とても参考になりました。

鈴:研究の指導以外の面でも、田幡先生にはさまざまな支援・指導をいただいています。特に、「『教科書に書いてあるからやる』じゃなくて、教材の意図をしっかり理解してから授業に行きなさい」と言われたことは、今でもよく覚えています。実際に実習に行く前には、夜遅くまで一緒に授業のつくり方などを考えていただき、実習中にも授業の展開や発問の仕方について、たびたび、相談に乗っていただきました。田幡先生は親身に相談に乗ってくださり、話しやすいので、つい頼りにしてしまいます。

 

― 5回ある教育実習は、どのように行われるのでしょうか?

田:1年次に3回、2年次に2回、それぞれ10日間の教育実習があります。そのうち、附属学校園での実習は2回、残りは仙台市内にある連携協力校などで行われます。実習内容も、実際に院生が授業を行うものだけでなく、学校行事を参加観察するものもあります。

鈴:先日終えたばかりの4回目の実習では、ちょうど合唱コンクールの準備期間を見ることができました。当初、生徒たちの中には、コンクールに対する温度差のようなものがありましたが、先生がリーダー役の生徒を集めて会議を行ってから、リーダーたちがやる気を出し、それが全体に広がっていきました。本番の約2週間前から、見学をしていたのですが、先生の言葉掛けで変わっていく子供たちの様子は、とても新鮮でした。5回ある実習では、それぞれ違う学級に入ることになるので、さまざまなタイプの子供を見ることができて、とても勉強になります。

 

― 2018年4月には、教壇に立つことが決まっておられます。どんな教師になりたいですか

藤:学部生のころは、分かりやすい授業ができる教師になりたいと考えていました。その気持ちに変わりはありませんが、生徒の「分からないこと」を引き出すことも大切にしたいと思うようになりました。そして、「分からないこと」を解決する手段として、2年間の研究テーマを活用していけるように工夫を重ねていきたいと考えています。

鈴:2年間、大学院での学びの中で授業への考え方や教材への解釈を深めてきました。学校現場に出てからも、授業や教材の研究を続け、学び続ける教員でありたいと思います。

 

― 教師になるお二人に、アドバイスはありますか?

田:教職大学院を修了した学生は、地域の教育をリードする存在になり得る力を身に付けて学校現場に出ることになります。そのため、自分たちが思っている以上に早い段階から、それぞれの学校・地域の教育において重要な役割を求められるようになるでしょう。リードする立場の人間が自信を持っていないと、周囲は戸惑ってしまいます。いつ、そうした役割を求められても、自信を持って対応できるよう、彼らには学校現場に出てからも、教師としての自信を支える学びを続けていってほしいと思います。

(取材・構成 松澤 美穂)

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