先生、ソレ本当はアウトです。

給食指導のあり方

本当はアウトなNG行為を毎月とりあげ、マンガで説明。法律や教育上ダメな行為を取り上げます。

先生、ソレ本当はアウトです。
教師がやっちゃいがちなNG!行為

著・監修 山本豊(東京福祉大学こども学科教授)
千葉大学法学政治学専攻(現・法政経学部法学コース)卒業後、東京都庁に勤務。30歳で教員免許を取得し教育庁を退職、東京都の教員となる。2005年より東京福祉大学教授。

給食指導のあり方

職員朝会で、栄養教諭から給食の残飯について、「本校は他校に比べて残飯量が多い」と報告と注意がありました。次回はクラスごとに1週間分の残飯量を報告するとのこと。私が担任をしているクラスでは給食の時間を楽しく過ごさせるため、献立の好き嫌いは大目にみて、残すことをそれほど気にはしていませんでした。今日からは、飢餓に苦しんでいる世界の子供のことも考えて、絶対に残さないように厳しく指導しようと思います。給食を残したら昼休み時間になっても指導するつもりです。

 

学校給食と法

学校給食については学校給食法や食育基本法などに規定があります。学校給食法第1条には、学校給食は児童生徒の心身の健全な発達に資するものであり、児童生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものであると、その目的が示されています。目標を示した同法第2条第一号には「適切な栄養摂取による健康の保持増進を図ること」、同第二号には「日常生活における食事について正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができる判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと」とあります。さらに、同法第10条には、栄養教諭等の役割も規定しており、職員朝会での栄養教諭の話は、これを受けたものと考えられます。また、食育基本法には、食育の大切さや食に関する感謝の念と理解及び子どもの食育において保護者や教育関係者等の役割が規定してあります。

 

 

給食は教育活動

学校給食は、小・中学校の学習指導要領(平成29年3月告示)では特別活動の学級活動に位置付けられており、学級活動の内容の(2)「日常の生活や学習への適応と自己の成長及び健康安全」の「エ 食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食習慣の形成」として示されています。このことから、学校給食は教育活動の一貫として、「担任は児童生徒と同一の食事を同一の場所で摂り、適切な指導を行うことが求められている」(昭和31年6月5日 文部省管理局長通知・学校給食の実施について)とされています。残飯の多さを反省し、適切な指導を行うことは担任の役割です。

 

 

過ぎたるは及ばざるが如し

栄養教諭の話や学校給食法などの趣旨から、残飯をできるだけ減らすように努めることは大切なことです。しかし、偏食や小食のために食べられないと言っている児童生徒に無理強いしたり、給食の時間が過ぎても食べさせるような厳しい指導は、問題となることがあります。もちろん、給食は教育活動ですから、指導しなければならないこともあります。偏食の児童生徒に、栄養バランスや健康のことなどを教え諭しながら指導することは大切です。しかし、無理強いしたために子供がストレスを感じたり、腹痛を起こしたりしたら、刑法上の強要罪や傷害罪となる場合があります。また、給食後の休み時間や掃除の時間に教室などに残して無理に食べさせることは、子供の心を傷つける恐れがあり、行き過ぎた行為(指導とは言えません)や誤解を招きかねない行為として、公立学校では地方公務員法第33条の信用失墜行為の禁止に、また、私立学校では就業規則違反に抵触する可能性があります。

ここがポイント
・給食の無理強いは強要罪、腹痛を起こさせたら傷害罪に該当します。
・強要罪や傷害罪は刑事上の犯罪だけでなく、公立学校だと地方公務員法第32条の「法令等及び上司の職務上の命令に従う義務」違反となります。
・公務員は刑事事件に関し起訴(裁判所に訴えられる)されたら、休職となる場合があります(地方公務員法第28条第2項第二号)。
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