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『ベトナムの風に吹かれて』

2015年/日本・ベトナム合作/114分
監督:大森一樹
出演:松坂慶子、草村礼子 他
発売・販売元:ローランズ・フィルム 
DVD ¥3,800+税
©「ベトナムの風に吹かれて」製作委員会

 

スクーターの風、ベトナムでも同じかな?

吉田 和夫(玉川大学教師教育リサーチセンター客員教授/教育デザイン研究所代表/元東京都公立中学校長)

 認知症になった新潟の母親と新天地ベトナム・ハノイで暮らす日本語学校の教師のお話です。「ベトナムに行ってみたい!」そんな気にさせる映画です。
ベトナム・ハノイで日本語教師をしているみさお(松坂慶子)のもとに、新潟から父の訃報が届きます。久しぶりに帰った実家で知ったのは、父の死すら「誰の葬儀か、他人の葬儀は退屈だ」と言い、分からなくなってしまった認知症の母シズエ(草村礼子)のことでした。後妻として家に入った母の血縁は自分だけ。母を施設に預けようとする兄や兄嫁の反対を押し切り、みさおは母をベトナムの地に連れて行くことを決意するのです。
ハノイでの母親との2人暮らしが始まります。日本どころか新潟からも出たことがない母が巻き起こす数々のハプニング。そんな2人をベトナムの人々は家族のように受け入れ、言葉が通じずともコミュニケーションをとり、心を通わせていきます。母にとっての新天地ベトナム・ハノイ、何か昔の日本に似ています。
もともと多文化ではあるけれど仏教の国ベトナム。年長者への配慮も日本人のお婆さんへの興味もあり、シズエはベトナム暮らしの中で、徐々に笑顔を取り戻していきます。その生き生きとした笑顔に私たちも救われるような気がするのです。
街を行き交う庶民の足、バイクとスクーター。活気ある若者達とのんびりと老後を過ごす年寄り達。みさおの指導する美しい日本語や浦島太郎の昔話とともに、毎日50CCのバイクに乗り、風を感じている私にとって、ベトナムの風がなぜか懐かしく、私も直接肌でその風を感じてみたいと思ったのです。
全共闘時代(?)を少しだけ知る私にも、幾つかの懐かしいシーンがあります。高校時代の旧友・小泉と再会したみさおには、何やら淡いロマンスの気配も。
老いた母と異国の地で改めて向き合うみさお。困難もあるけれど、そんな2人を支えてくれるベトナムの人々との交流は、私たち日本人にも新しい風やメッセージをきっと届けてくれます。

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