教師の本棚 | おすすめ書籍

おすすめ書籍紹介〜今月のテーマ 「色」

丸山 匠勇(板橋区立西台中学校教諭)

 

ミステリー仕立ての児童文学、
YAの定番〜ただし問題あり〜

『カラフル』
森絵都=著/ 2007年/文春文庫/¥540+税

 色といえば、まず思い浮かんだのが『カラフル』。定番中の定番の小説なので、もうお読みになった方も多いと思います。冒頭、死んだはずのぼくの魂が、いきなり天使に行く手をさえぎられ、抽選に当たった、と告げられます。そして一定期間のうちに自分の犯した罪を自覚したら昇天できることになります。うまいですね。私は森絵都さんのファンで、ほとんどの著作を読破したのですが、その中でも一二を争う設定のおもしろさには、目を見張るばかりです。こうして「ぼく」は「うごめく極彩色の渦の」人間世界に戻り、文字通り色々な経験を積んでいきます。「この世があまりにカラフルだから、ぼくらはいつも迷っている/どれがほんとの色だかわからなくて/どれが自分の色だかわからなくて」表や裏(ここに問題の一つがあります)の多い人間世界の中で、自分の犯した罪を見つけられずに苦しむ「ぼく」。そして最後に行き着くところは……最後はミステリー仕立てになっており、読者の目を引き付けること請け合いです。

 

 

古今にわたる著名な
日本人百人の一言

『百人一語』
梅原猛=著/ 1996年/新潮文庫/※現在、絶版で販売されていません。

『カラフル』は一人の人間の中にも、色々な心が秘められていることを見事に表現していましたが、『百人一語』は百 人の人が織りなす、言葉の花束です。「月日は百代の過客にして」や「『サヨナラ』ダケガ人生ダ」「貫之は下手な歌よみにて」といった色々な言葉が哲学者梅原猛の解説で紹介されます。あなたの琴線に触れるような一言がどこかのページでひっそりと待っています。気に入った言葉のページをめくってみてください。新しい人生が拓けるかもしれません。

 

 

すすめる本によって、人それぞれの色が強く反映する

 

『BISビブリオバトル部〈1〉 翼を持つ少女』〈上下〉
山本弘=著/ 2014年/創元SF文庫/〈上〉¥680+税・〈下〉¥720+税

 『BISビブリオバトル部』は、最近流行のビブリオバトル* を中心にすえた、青春小説です。中高一貫校のBIS(美心国際学園)の高等部に編入した、SF大好きの伏木空は同級生に誘われビブリオバトル部に入部します。そこにはノンフィクションしか読まない埋火武人や理科系の本しか読まない菊地明日香、可愛いものの本が大好きな輿水銀といった部員がいて、それぞれの人生を背負いながらのビブリオバトルを展開します。自分のすすめる本には、その人の色が強く反映します。

どうぞみなさんも自分が自信を持ってすすめられる本を探すことによって、『カラフル』の「ぼく」のように自分の今の色を探してみてはいかがでしょうか。この3冊以外にも、森本哲郎『生き方の研究』や都筑道夫の『黄色い部屋はいかに改装されたか?』といった本もおすすめの書籍です。

*参加者がおもしろいと思う本を順番に紹介した後、「読みたくなった本」に全員で投票。一番多い票を集めた人が勝利するというイベント。

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