躍動する若手教師

File20 佐藤裕子(さとうひろこ)先生 東京都武蔵野市立関前南小学校

「今日は、どんな授業がしたいですか?」
佐藤先生の問い掛けに、
子供たちから次々と声が上がります。
学びを自分たちで考える。
「主体的な学び」の実践です。

Q1  初任の年は、どんな年でしたか?

初任の年は担任を持たず、副担任として3~6年生の少人数算数の指導を担当していました。本校の少人数算数は、1学年2クラスの児童を習熟度によって3グループに分け、学級担任2人と少人数算数担当で各グループの指導を行います。少人数算数の担当になると、授業は算数だけになりますが、算数に関する教材等の準備をすべて行うことになります。

授業の準備や指導には、各学年の特性の理解が必要ですし、学年のカラーを考慮することも大切です。担任の先生方とコミュニケーションを取り、子供たち一人ひとりの性格を教えていただき、実態把握に努めましたが、算数の授業でしか会えない子供たちと心の距離を縮めていくには、やはり時間がかかりました。また、3つに分かれた4学年分、12パターンの授業準備も、一人で取り組むのは難しく、校長先生に毎週末、翌週一週間分の授業案を一緒に計画していただいていまた。

ただ、周りの先生方も常に相談しやすい雰囲気でいてくださったので、不安なことは何でもすぐに相談することができました。私が、武蔵野市の初任者代表として算数の公開授業を行うことになったときなどは、一緒に授業案を考え、本番前に模擬授業を見てくださったりもしました。大変なことはたくさんありましたが、学ぶことの多い楽しい1年だったと思います。

 

Q2  授業において、大切にしていることは?

子供たちの主体的な学びです。その実現のため、各単元の最初に、これからの学びを通して何ができるようになりたいのか、それにはどんな学習をしていけばいいのか、学習のゴールと方法を子供たちと一緒に考えています。もちろん、単元に定められた「学ぶべきこと」を踏まえた学習活動になるよう、筋道をつけたり、具体的な提案をすることもありますが、できるだけ子供たちが望む方法で学習が進められるようにしています。また、単元の最初だけでなく、毎回の授業の冒頭でも、「今日は、どんな授業がしたいですか?」などと問い掛け、学習のゴールに向けて、その授業では何を学ぶのか、子供たち自身にしっかり意識させることを心掛けています。

授業の進め方には、教師が毎時間「今日はこれをします」と指示して進める方法もあると思います。ただ、そうして一つ一つの授業に区切りをつけてしまうより、最初に大きなゴールを意識させ、そこに向けて学習を積み上げていく方が、子供たちの学びが主体的になると感じています。

Q3  子供と接する上で、心掛けていることは?

可能性を信じて向き合うことです。子供たちが何度失敗を繰り返しても、諦めることなく、できるようになるまで信じて見守るようにしています。

そしてもう一つ、子供たち一人一人の良さを見ることを心掛けています。以前の私は、授業中に騒ぐ子供がいた場合、騒いでいる子供に「静かに」と注意していました。間違った指導ではありませんが、ベテランの先生方を見ると、騒ぐ子供を注意するのではなく、静かにしている子供を「えらいね」と褒めていることに気付きました。褒められた子供を見習って、騒いでいた子供たちが静かになっていく姿を見て、間違いではなく、良さに目を向けることの大切さを実感しました。

 

Q4  教師になって、驚いたことはありますか?

さまざまな校務分掌があるということです。私は現在、生活指導部に所属し、さらに児童の転出入管理や毎月の避難訓練の調整、給食担当などをしています。給食担当は初任の年にもしていたのですが、食物アレルギーの把握はもちろん、給食センターへの毎日の連絡といった細かな仕事も多く、「こんなことまで先生がするの!?」と驚かされました。

本校は小規模校のため教員数が限られます。少ない人数で学校を運営するためには、一人の教員が複数の校務分掌を担当する必要があります。私は今年で教職4年目になるのですが、4年目にしては、多くの校務分掌を経験してきていると思います。意外な仕事に驚くこともありますが、学校を運営するためのさまざまな仕事を経験しているということは、今後、異動したときに役に立つと感じています。

Q5  教師を目指す読者へのメッセージをお願いします。

信頼される自分になること、周囲と信頼関係を築くことが、教師には一番大切なことだと思います。

私自身、初任者のころから、子供からも、保護者からも、同僚の先生方からも信頼される教師になることを目指して、仕事に向き合っています。

子供たちのために誠実に頑張っていれば、子供たちはそれを感じ取ってくれます。子供たちから「大好き」と言われる先生であれば、保護者も信頼してくれますし、同僚の信頼も得られます。そして、信頼される教師であればこそ、いざというときに助けの手を差し伸べてもらえるのだと思っています。

 

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