最新号特集ダイジェスト | 『教セミ』流学習法 | 論作文(論文)

論作文「猛烈トレーニング」〜目指す理想の教師像

さあ論作文「猛烈トレーニング」を開始しよう。
今月のテーマは「目指す理想の教師像」だ!

猛トレ①
出題者の意図を想像せよ

ここからは、私・新藤が実際に受験生が書いた論作文を見ながら、解説していこう。
その前に、「あなたが『目指す教師像』を述べなさい」という問題を提示されたとき、多くの受験生は、「しめた! 教職課程を受講しはじめてからさまざまな科目で繰り返し聞かれたり、書いたりしたことだから簡単に書ける!」と思ったことだろう。
しかし、そこに大きな落とし穴があることに気付く必要がある。
「面接試験においてさえ、繰り返し質問される項目を改めて書かせることにどのような意味があるのだろうか?」と疑いをいだいた受験生はいないだろうか。そのような人は、とても鋭い。42年前に教員採用試験を受けた私ですら、この問題を面接のときに2度も聞かれている。1度目は東京都教員採用試験の面接試験。2度目の最終採用面接では、H市教育委員会の教育長から聞かれた記憶がある。教員になってから、30年前に指導主事の選考試験を受験したときも、記述式問題5問のうち1問はこの問題だった(よく覚えているでしょう)。
採用担当者は、この質問から受験生の何を捉えようとしているのだろうか。
実は、この題章には、教師に求められるあらゆる資質・能力がどの程度獲得できているかを測るという重要な意図が込められているのだ。このように、論作文試験においては、出題者は、そのテーマを通して受験生の何を見たいのかということを、まずは見抜くことが求められるのだ。
では、次から実際に受験生が書いた論作文を見ながら、そのことを確認していくことにしよう。

猛トレ②
新藤先生の添削意図を見抜け

猛トレ③
新藤先生の講評

この事例1の最大の問題点は、「題意の把握」が十分にできていない点にある。
確かに、「児童生徒一人一人の個性を認め、可能性を引き出し、夢に向かって努力する姿勢を身に付けられる教師」という表現で、自治体(この場合は東京都)が求める教師像の「3.子供のよさや可能性を引き出し伸ばすことができる教師」に触れて題意に沿っているつもりなのだろう。しかし、個人的体験に終始し、説得力がない。
では、題意は何なのだろうか。それは「教師」をどう捉えているかということだ。
教育基本法第9条には「教員は、自己の崇高な使命を深く自覚」することを求めている。この教員としての「使命感」を自分なりに理解し、説得力をもって書けているかが大きく問われるのだ。
説得力のある論文を書くためには、中央教育審議会答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」(2015年12月)もしっかりと受け止める必要があるだろう。この答申の中では、過去の中央教育審議会答申や教育職員養成審議会答申等を踏まえ、改めて、「不易とされてきた資質能力」、「新たな課題に対応できる資質能力」を整理した上で、「高度専門職業人」として「学び続ける教員像の確立」を強く求めている。
さらに、事例1で決定的に欠けていることがある。それは、大学4年間の学びや諸活動、教育実習をはじめとする子供との触れ合い体験等を通して、自分の中で「教員像」がどのように変容し、教員としての資質能力をどれだけ伸ばすことができたかを全く語らず、高校時代の恩師の影響のみによって教師を志したかのような表現をしている点だ。
教師を目指す受験生の大半は「恩師との幸せな邂逅」の経験を有していることは確かだろう。しかし、それに囚われてしまい、自分自身が幼児期からの学校教育・家庭教育・社会教育等の全ての教育的体験の成果物 “The fruits of education.” として、今存在していることを忘れてしまっている。「教育」というものをもっと広く捉え、その成果が自分の中でどのように体現されているか、自分自身を見つめ直すことをおすすめしたい。
そうした視点に立って、次の論作文を読んでみてほしい。

このつづきは、

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