最新号特集ダイジェスト | 『教セミ』流学習法 | 論作文(論文)

猛トレ①論作文の基本を頭に叩き込め!

新藤久典先生による論作文の「猛烈トレーニング(略して「猛トレ」)」です(全8回)。第1回となる今号では、論作文試験の3つの基本事項について、まずは編集部が解説します。

基本①
短い時間で少ない文字数で書くことが求められる

 大学の課題で書くレポートや論文は、文字数の制限がなかったり、A4数ページにわたったりするものがあります。提出期日までは時間があることも多いため、大学生は時間をかけて執筆しています。
ところが教員採用試験の論作文の文字数は、自治体ごとに異なりますが、多くて1200字程度。制限時間も60〜90分程度と限られています。大学の課題と同じようにとらえて書き進めると、文字数も考える時間も足りずに終わってしまいます。そのため、言いたいことを手短にまとめ、短い時間で書く訓練を繰り返すことが求められます。

基本②
求められるのは「論理性」と「情熱」

 論作文試験で問われているのは、知識の量や文章の善しあしだけではありません。受験生が、論点を論理的にまとめ、かつ教職に適した人物か、さらに、教職への情熱を持ち合わせているか、を見ているのです。例えば、「あなたが作りたい理想の学級像について述べよ」というテーマが出たとします。ここで、自分が頭の中で想像した「机上の空論」を並べても、説得力はありません。現実的な方策を道筋立てて述べることで論旨に説得力を持たせ、かつ教師としての適性・使命感を感じさせるものにする必要があるのです。
具体的な書き方としては、全体を「序論」「本論」「結論」の3つに区切って書き、さらに本論は2〜3のセクションに分けて書くのが「定石」とされています。「分かりやすくて、おもしろい文章なら、定石にのっとらなくてもいい」という考え方もあるでしょう。それも1つの事実ですが、先にも述べたように教採の論作文試験では、教師としての適性が必要とされ、「読み手のことを考え、読みやすく気配りが行き届いた親切な文章」が求められます。それだけに「序論」「本論」「結論」という構成に沿った方が、伝わりやすいと言えるでしょう。
読みやすい文章を書くというのは、小説家やプロのライターでも大変苦労しているもの。その点,「序論」「本論」「結論」の構成に沿えば、文章が苦手な人が論理的に書き進めていく上で、ガイド的な役割を果たしてくれるのです。

基本③
「教師になったら」ではなく「教師として」の視点で書く」

 教師としての適性が問われる論作文試験では、「教師の視点」で書く必要があります。大学生の中には具体策を述べる際「私が教師になったら○○をしていきたい」と未来形で書く人がいますが、こうした記述はあまり好まれません。まだ教師になっていなくても「私は教師として○○する」と言い切ると、その人の強い決意が見えるでしょう。また、いくら明解な文章で綴っても、人間的なやさしさや子供に対する愛情、教師としての責任感が欠けた文章は、冷たい印象を与え、高い評価は得られません。教師としての資質が問われていることを意識し、言葉の端々に自らの思い、子供への愛情、教師としての使命感を込めましょう。
このように、教員採用試験の論作文は、一般的な論文や作文とはさまざまな点で異なります。「文章が苦手」な人はもちろん、「文章が得意」な人もしっかりと対策を重ねる必要があります。

論作文試験の基本情報まとめ

①字数・制限時間は自治体によって異なる
論作文の字数や制限時間、出題形式は自治体によって異なります。また、答案用紙も縦書きの原稿用紙であったり、横書きの原稿用紙であったり、レポート用紙であったりさまざまです。必ず自治体のホームページなどで事前に確認しましょう。自治体によってはグラフを読み取って論述する問題、長文を読んで論述する問題もあります。1次試験で出すところもあれば、2次、3次試験で問うところもあるので、あわせて確認しましょう。

②4つの評価の観点
評価方法も自治体によって異なりますが、高評価を受ける論作文は以下の4つを踏まえたものです。
1.テーマに正対して論述している
2.構成が明確で具体的かつ論理的に書かれている
3.教師としての豊かな人間性、子供への愛情を感じる
4.日本語としての表現、表記が的確である
中でも注意したいのが1です。テーマに正対せず、自分の得意領域にすり替えて論述しているような論作文は、いくら内容が優れていても高く評価されません。

③文体は「常体」が基本
特に指示がない限り、文体は「常体(だ・である調)」で書くのが基本です。また文章表現では体言止めや倒置法などを使うとメリハリが出ます(「メリハリを出せる。それが体言止め。」といった具合です)。一文をあまり長くせず短く区切ることを意識し、同じ言葉の繰り返しも避けましょう。一文の目安はおよそ50字程度と考えましょう。

④文字の丁寧さも評価の対象
自治体の評価の観点に「字の美しさ」はありません。しかし、読みやすく、丁寧な字で書くことは、読んでくれる方への基本的なマナーです。乱雑・乱暴に書かれた字や薄い字は試験官の読む気をそぎ、しっかりと頭に入れてもらえない可能性すらあります。また、原稿用紙の正しい使い方も評価されます。一文字ずつ、丁寧に読みやすさを意識しながら、書いていくようにしましょう。鉛筆等も、濃い目のものを使うようにしてください。

 

 

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