教師の本棚 | おすすめ書籍

おすすめ書籍紹介〜今月のテーマ 「道」

遠江 久美子(町田市立鶴川第二中学校主任教諭)

 

「仕事」のやりがいと苦労は表裏一体

『桜風堂ものがたり』
村山早紀=著/ 2016年/ PHP研究所/¥1600+税

私が「教師の道」を目指したのは、「人が好き」だったからです。しかし教師と生徒の対峙は生やさしいものではありません。リストカットや薬を大量に飲む生徒を持った時には、自分の心を強く持たないと闇に引きずりこまれそうになりました。でも、生徒に心を支えられることも沢山ありました。クラス崩壊寸前の時に悩む私の下駄箱に入っていたのは、女子全員からの「先生には私達がいる」の最高のメモでした。『桜風堂ものがたり』の主人公、銀河堂書店に勤める青年、月原一整は、人づきあいが苦手で店内で起こった万引き事件を機に店を辞めざるを得なくなります。傷心を抱えて旅に出た一整は、自分がどんなに書店員という仕事が好きか、仲間に支えられ、自分がこの仕事に救われているかを思い知らされます。仕事への思いを考えさせてくれる1冊です。

 

 

あなたはどんな教師になりたいですか?

『海賊とよばれた男』(上下)
百田尚樹=著/ 2014年/講談社文庫/¥750 +税

人生の中で、あなたにはたくさんの道から「自分らしい道」(指針)を迷いながら選ぶ時が必ず来ます。私は生徒に「熱くなれ」と言い続けて来た気がします。それは生徒の中にある「やればできる力」を信じて変わらない自分がいたからです。生徒は上向きの時は 放っておいても上手くいきますが、下向きの時にどう持っていくかが、教師としての力を試す時でもあり、醍醐味です。励ますのは当たり前で、時には「先生には負けない」なんて気持ちを持たせることも必要です。『海賊と呼ばれた男』は、出光興産創業者の出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐵造の一生と出光興産をモデルにした国岡商店が大企業にまで成長する過程が描かれています。国岡の中に常にある、ぶれない気持ちと進んでいく強さ、そして店員に対する溢れる愛情に、圧倒されると同時に魅かれます。彼があなたを勇気づけてくれます。

 

 

生徒を救う「一手」のヒントが分かる一冊

『直感力』
羽生善治=著/ 2012年/ PHP新書/¥760+税

生徒の中には、拒食症、不登校、学習障害、発達障害などの様々な生徒がいます。教師はどんな方法で生徒を「どんな道」に導くかを悩みます。そんな時に状況に応じて方法を選ぶ力が不可欠です。不登校生徒でも、電話連絡を待っている子もいるし、電話が迷惑で追い詰められる気持ちになる子もいます。『直感力』では、羽生善治がどのように直感力を磨いて来たかが書かれています。中でも、「約80通りの可能性から瞬時に急所を絞り、一手を打つ」という文章にしびれました。教師がある悩みの打開策を瞬時に80通り頭に浮かべることができたらと想像したら、選べずにもがいて困っている自分がいました。この本には、自らも道から外れたり、道に迷ったり、寄り道したりしながらも、目の前の「生徒を救う方法」を探すヒントがたくさん詰まっています。

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