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「ぼくたちの家族」

2014年/日本/117分
監督:石井裕也
出演:妻夫木聡、池松壮亮、原田美枝子、長塚京三 他
発売・販売元:T C エンタテインメント
D V D 3,800円+税
(C)2013「ぼくたちの家族」製作委員会

 

「道」を外れそうになった時、そこに家族がいた

吉田 和夫(玉川大学教師教育リサーチセンター客員教授/教育デザイン研究所代表/元東京都公立中学校長)

人生はよく道にたとえられます。そして、一人一人歩む人生、つまり道は異なるのですが、時にしばらく一緒に歩むことがあります。それが「家族」です。大きな通りをただ歩いているだけと感じた家族。しかし、一度事件が起こると、その本質が、良い面も悪い面も現れます。どこにでもいる家族、どこにでもある家庭。その中の一人が道を踏み外しそうになったり、ちょっと道を見失いかけたりした時、これまで太くて平坦だった(と思った)道が、いつの間にか細く、荒れた、そしていくつにも枝分かれした小道となり、行先や方向も見失いそうになる。けれども、その時支えてくれるのもやはり家族なのだと改めて感じる映画です。

東京郊外の住宅地に住む家族、若菜家。ある日突然、母・玲子(原田美枝子)が認知症のような状態になります。診断すると「脳腫瘍」とのことで、既に末期症状で、余命1 週間と宣告されてしまうのです。

正に寝耳に水の話で、小企業の経営者である父(長塚京三)は取り乱し、会社員でもうすぐ子供が生まれる長男の浩介(妻夫木聡)は言葉を失くし、大学留年中で甘えん坊の次男の俊平(池松壮亮)はかろうじて冷静を装う、と、一家は大変なことになります。

母の記憶はますます曖昧になり、息子の浩介さえも分からないことがあるほどです。

そして、何か振る舞いや言動も少女のようになり、自分がひた隠しにしていた家族への不満や本音をあからさまに語るのです。

そんな中、家のローン、生活費のためのサラ金ローン、そして父の企業経営での多額のローンが見つかり、自分たちの家族がとっくに壊れてしまい、とうに道に迷っている状況であることに気づきます。

どうしていいか分からない、けれど終わらせられないそんな状況の中、浩介と俊平は、ともに「悪あがき」を決意するのです。

 

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