学級経営基本のキ

学級経営キホンのキ 「学級開き」=「水道とホースの法則」の巻

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「学級開き」=「水道とホースの法則」の巻

河原田 友之(東京教育研究所主任研究員)
千葉県で37年間教員を勤め、現職。

 

そもそも「学級開き」とは?

「学級開き」…… 言うまでもなく、これから1年間担任する子供たちとの出会いを指します。子供たちだけでなく、教師たちも「また1年間頑張っていこう」と気持ちを新たにします。綺麗に整頓された教室を見わたして「今年はどんな学級にしていこうか」と悩みながらもうれしいような何ともこそばゆい気持ちになる時期です。
そんな中での「学級開き」には、 教師にとっても子供たちにとっても、 計り知れないほどの「価値」があります。顔合わせだけで終わるのでは、学級開きとは言えません。「これからの1年間をどんな学級にしていくか」について、子供たちと一緒に考える大切な時間です。ゆっくりとこれから1年かけて育てなくてはならないものはたくさんありますが、学習や生活上のルールについてはこの「学級開き」が今後大きく影響を及ぼすと言ってよいでしょう。

 

先生方の工夫と私の初めての学級開き

本屋をのぞくとたくさんの教育書があり「学級開き」を取り上げています。これらのことからも、 学級開きが教師にとって大切なものであることが分かります。それぞれの教師の個性で、学級開きを工夫しながらつくっています。子供たちが始業式に登校する日までに、教室の掲示物など残業を厭わず準備し、新学期を迎えている立派な若い先生たちがたくさんいます。
私にも初めて教師として迎えた「学級開き」があります。初めての出会いは今でも脳裏にしっかり焼きついています。読者のあなたにも、これからたった1回だけの最初の「学級開き」があることでしょう。その日を子供たちと素敵に迎えるために覚えておいてほしいことがあります。それは、子供たちの次のような「心の動き」です。

始業式。校長先生の話など子供たちは聞いていない。ただ早く担任が誰なのかを知りたいと思っている。I君は始業式のこの朝、仏壇に向かって「どうか、今年はK先生になりませんように」と祈った。Fさんは、校長先生が担任は私だといった瞬間「地獄じゃ」と叫んだ。じっと校長先生の顔を見てざわめきだけが響く。歓声が上がる。ため息が漏れる。これが担任発表。そして、教室へ移動となる。

 

始業式。校長先生の話など子供たちは聞いていない。ただ早く担任が誰なのかを知りたいと思っている。I君は始業式のこの朝、仏壇に向かって「どうか、今年はK先生になりませんように」と祈った。Fさんは、校長先生が担任は私だといった瞬間「地獄じゃ」と叫んだ。じっと校長先生の顔を見てざわめきだけが響く。歓声が上がる。ため息が漏れる。これが担任発表。そして、教室へ移動となる。

こうして、子供たちはわくわく・どきどきしながら教室に入ってきます。ここで先生方のさまざまな工夫が「威力」を発揮します。A先生は、黒板全体に「教室は間違うところだ」の詩を書いて迎えました。B先生の教室には、花で作ったアーチが扉につけてあります。C先生は、学級通信の第1号を机の上に置きました。D先生は、黒板に自己紹介を書いておきました。
そう、初めて向き合う子供に自分のどんなものを見せるかによって、これからの1年間が決まるのです。何かしら惹きつけるものを用意しておくことで、子供たちの気持ちは高ぶり、新たな担任、クラスへの好感を持つはずです。読者のあなたもそうだったのではないでしょうか。
私も初めての学級開きの際、学年の先生たちをまねて、黒板に自己紹介とこんな学級をつくりたいとの思いを書いておきました。必死に覚えたクラス名簿を読み上げましたが、 返事が小さい。何か必死に「いい学級をつくろう」と子供たちに呼びかけて終わったような気がします。これはこれで仕方ない、誰もが通る最初の道だと言い聞かせたことを覚えています。

 

学級開き成功の秘訣

では「学級開き」を成功させるにはどうしたらよいのでしょうか。これは、学級開きを「水道とホース」に例えると分かりやすいでしょう。水道の蛇口をひねった途端、勢いよく水が四方八方に飛び散ったことはないでしょうか。
もしそこにホースがついていたらどうでしょう。勢いは変わらないけど同じ方向に流れていき、水が飛び散ることはありません。何の準備もなく学級をスタートさせると、元気のよい子供たちは好き勝手に行動を始めてしまい、いずれそれが当たり前になってしまいます。一度勢いよく出てしまった子供たちを同じ方向に戻すために四苦八苦することになるでしょう。
「学級経営方針」(=どんな学級をつくるか。どんな子供を育てるか)はホースです。いわば「担任と子供のルール」と言えます。しかしホースがあっても安心はできません。ホースの出口(子供たちの出口)を指で塞いで爆発させたり、穴が空いて水漏れさせたりすれば、その方向に水が流れないこともあります。水漏れした部分を修理するか、全く新しいホースに取り換えることを余儀なくされることもあるかもしれません。「学級開き」はホースを水道につなげる1年間の中で大切な日なのです。
具体的な秘訣としては以下のような方法があります。これは温かい学級づくりにもつながるので、皆さんが教員になった際には、ぜひ参考にしてほしいと思います。

○黒板メッセージで想いを伝える
→信条、詩、歌詞、絵など
○担任する子供の氏名を暗唱する
→「すごい」の声が上がります!
○学生時代の特技を披露する
→楽器の演奏、リフティングなど
○プロフィールをクイズで紹介する
○簡単にできるレクリエーションをする
→○○ジャンケンやお絵かきクイズなど
○全員の机の上に文字を書いた紙を貼っておく
→それらを読ませると、メッセージになっているなど

 

学級開き= 学級づくりの第一歩

最後に、「学級開き」は出会いの第一歩ですが、学級づくりの第一歩であることを肝に銘じてほしいと思います。学級開きによって今後の学校生活が決まるといってよいほどです。それは必ず保護者にも響きます。子供が学校へ生き生きと通う姿、学級のことを語る姿、学習のことを語る姿、子供の学校生活すべてにつながっていくのです。

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