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大学では教えてくれない! 試験に出る「最新」教育用語辞典

試験に出る「最新」の教育用語について、絶対に押さえるべきポイントを解説します。

用語1 教育の目的・目標(教育基本法第1・2 条)

筑波大学大学院博士後期・本田 辰雄

ざっくり解説

ざっくり言えば、日本の教育の最も大きな目的は、単に知識や技能を習得させることではなく、「人格の完成」にある。これは、日本国憲法の理念と法の原則にもとづき、「教育憲法」とも言われる教育基本法の第1条で定められている。また、教育の目標は主に5つあり、教育基本法の第2条で定められている。

 

用語が生まれた背景

●教育の目標・目的は最頻出のテーマの1つ
教育基本法は日本国憲法の理念と法の原則のもと、日本の教育の基本を定めた法律です。旧教育基本法は1947年に制定された後、長らくそのまま使われてきましたが、半世紀近く経過した2006年、第一次安倍内閣の時代に、社会・学校・家庭・地域の変化を踏まえて改正されました。
教育の目的・目標といったテーマは、教育制度の根幹を成す領域であるため、多くの自治体で出題されています。教育基本法そのものは、「最新」の教育法規というわけではありませんが、必出のテーマですので押さえておく必要があります。

 

詳細理解

●まずは教育基本法の「前文」をチェック
教育の目的・目標を理解するために、まず教育基本法の「前文」にも目を通しておきましょう。前文とは、法律において条文本体の前に置かれた文章のことで、法律の制定の趣旨、理念、目的を強調して述べたもの。通常の法律には、前文が設けられていませんが、教育基本法の場合は準憲法的な性格を持つ極めて重要な法律であるため、前文が設けられたというわけです。教員採用試験では、次の太字箇所の空欄補充問題がよく出題されます。

教育基本法前文
我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。
我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。

 

●教育の目的を定めた教育基本法第1条
教育の目的を規定しているのは、教育基本法第1条です。教育の根本的な目的は、人格の完成です。これは、学校教育に限定されるものではなく、社会教育にも及び、教育基本法第12 条に規定されています。外国では学校を知識・技能の習得の場と考える国もありますが、日本はより「人間的な成長」に着目していると言えます。

教育基本法第1条
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行なわなければならない。

 

●教育の目標を定めた第2条をチェック
教育基本法の第2条には、教育の目標が規定されています。2006年の改正により、新たに5つの具体的な目標が定められました。教員採用試験では、それら5つの内容を問う問題がよく出されるので、正しく理解しておく必要があります。
この他、教育基本法第5条第2項には、義務教育として行われる普通教育の目的が規定されています。学校教育法では、学校種ごとに目的と目標が規定されているので確認しておきましょう。

教育基本法第2条が示す5つの具体的な目標
一  幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二  個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三  正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四  生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五  伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。

 

重要キーワード解説

□人格の完成
個人の価値と尊厳との認識に基づき、人間の具えるあらゆる能力を、できる限り、しかも調和的に発展せしめること(「教育基本法制定の要旨」1943(昭和22)年文部省訓令)。

□普通教育
大学で行われる高等教育や、専門学校などで行われる職業教育とは異なる基礎的な教育のことを指す。小学校や中学校、高等学校などで行われる。このうち、小学校や中学校で行われる教育は「義務教育」とされている。

 

○×クイズ

Q1
義務教育学校は、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして、その心身の発達を助長することを目的としている。

Q2
教育の目標は、正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の福祉に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うことである。

答え
Q1 ╳
学校教育法第49条の2を参照。義務教育学校の「教育の目的」の規定。正しくは「心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施すことを目的とする」。
Q2 ╳
教育基本法第2条を参照。正しくは「公共の福祉」ではなく「公共の精神」である。前掲した5つの目標を暗記しておこう。

 

このつづきは

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