躍動する若手教師

File19 須田雄介(すだゆうすけ)先生 東京都立富士森高等学校

生徒たちが向き合っているのは,
須田先生お手製のプリント。
「授業時間内で,きちんと理解させたい」
要点がまとめられたプリントをベースに,
授業はテンポよく進んでいきます。

Q1教師を目指したきっかけは?

一つには,小学校,中学校,高等学校と担任の先生に恵まれ,学校が大好きだったということがあります。中学生になる頃には,漠然とではありますが,将来は学校で働きたいなと考えるようになっていたと思います。

そしてもう一つ,子供の頃から所属していた水泳のクラブチームのコーチの影響が大きかったと思います。「(泳ぎが)速いだけの人間に魅力はない」が口癖のコーチで,水泳の技術だけでなく,人間としての考え方や礼儀も含め,さまざまなことを教えてもらいまし
た。そんなコーチの指導を受けることで,「指導者」という仕事に魅力を感じるようになりました。

「学校」そして「指導者」ということを考えたとき,教師になることを決意し,得意教科だった数学の教員免許が取得できる大学に進学。大学時代には,ボランティアとして小学校に行ったりもしたのですが,やはり水泳部の指導がしたいという希望もあり,中・高等学校の教師を目指しました。

 

Q2今までで一番大変だったことは?

今年で教職8年目を迎え,現任校は2校目になるのですが,一番大変だったと思うのは,やはり初任の年の出来事です。希望通り水泳部の顧問になったのですが,部員たちとの関係を上手く築くことができず,トラブルになってしまったのです。

当時2年生だった部員の一部が学校の規則を破ったことが分かり,担任の先生方と相談の上,部活動の一時停止を決定。顧問として生徒たちにその決定を伝えたのですが,納得させることができず,一時はコミュニケーションを取ることさえできない状態に。規則違反を一方的に指摘し,処分を決めたことで,生徒たちに反発されてしまったのです。時間をかけて少しずつ関係を改善していきましたが,本当に屈託なく話し合えるようになったのは,彼らが3年生に進級し,卒業間近になったころです。

本当に大変な経験でしたが,生徒に対する自身の態度を反省する良い機会になったと思います。生徒たちは,それぞれ思うところがあって行動しています。良いことであれ,悪いことであれ,生徒たちと話をするときは,まず彼らに話をさせ,「思うところ」を知った上で,自分の考えを伝えることを心掛けるようになりました。

トラブルになった生徒たちとは,今でも会うことがあるのですが,当時の出来事は全員が覚えていて,「あのときは…」という話にな
ります。中には教師になった子もいて,教師の立場が分かるようになったようです。

Q3授業の上で心掛けていることは?

授業時間後に,分からなかったことを聞きに来てくれる生徒ばかりではないため,できるだけ授業時間内でその日の内容を理解させたいと考えています。数学の場合,理解には演習を重ねることが重要になるので,生徒が問題を解く時間を多く確保し,自分が話す時間は極力短くするように心掛けています。とはいえ,必要な説明を省くことはできません。そこで,板書したり,生徒がそれを書き写
したりする時間を節約するため,演習問題や要点などをまとめたプリントを配布して授業を行っています。生徒が演習問題に取り組ん
でいる間は机間指導を行い,数学が苦手な生徒やテスト結果が振るわなかった生徒の様子を見るようにしています。

プリントを中心とした授業形式は,初任の年から始めたものです。最初のうちは,板書中心の授業を行っていたのですが,数学が苦手な生徒ほどノートが上手く取れていない,ノートを取ろうとしていないことに気付き,プリントを導入。プリントは,生徒に無記名でアンケートを行うなどして改良を加えていき,現在のような形にたどり着きました。

 

Q4学生時代は知らなかった教師の仕事はありますか?

たくさんあるのですが,副担任だった昨年度まで担当していた「募集・広報」の仕事もその一つです。学生時代はもちろん,実際に担当になるまで,教師の仕事としてあまり意識していない仕事でした。

具体的には,休日に学校説明会を開催したり,近隣の中学校へ行って本校の説明を行うなどして,入学希望者を募る仕事です。しかし,学校は生徒によって雰囲気が変わっていくものですから,単に入学希望者が増えれば良いというわけではありません。入学してから,思い描いていた高校生活と違うと気付くのでは,生徒もかわいそうです。そこで,学校説明会に在校生を同席させ,直接話をする機会を設けるなど,本校がどんな学校かをよく知ってもらえるように,さまざまな工夫を行いました。

休日出勤も多く,「大変だね」と言われることもありましたが,学校の雰囲気や受験倍率といった形で成果が見えてくる仕事は,個人的にはとても面白いものでした。

Q5教師として,これからの課題は?

今後の教員人生を考えると,あと何回かは異動を経験することになります。学校により,生徒の状況や運営方針などは異なります。中堅・ベテランと経験を重ねていけば,求められる能力も変わってくるでしょう。どんなポジション,どんな仕事であっても,きちんと
対応できる教師であれるように,色々な経験を積んでおくことが今の課題です。

学校の業務の中には,まだまだ経験したことのないものがたくさんあります。教師として担任を持ちたいという気持ちはありますが,
生徒の成長に関わるのは全ての教師の基本であり,担任だけの仕事ではありません。だからこそ,何かの仕事に固執することなく,初めての仕事にも積極的に取り組んでいきたい。何をやらせても「須田なら…」と思ってもらえるような,オールラウンダーな教師になりたいと考えています。

 

 

 

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