クイズで学ぶ教育法規

CASE 23 教育長の任期・職務

教職教養の“鬼門”とも言われる教育法規。
空欄の丸数字に言葉を入れて、ストーリーを完成させてください。

 

樋口 修資(明星大学教育学部教授、東京学芸大学客員教授)

 

解答&解説

地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地教行法)第4条第1項では、「教育長は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育行政に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する」とされています。
教育長の任期については、同法第5条第1項の定めるところにより、3年とされています。また、同法第11 条第7項では、教育長は、教育委員会の許可を受けなければ、報酬を得ていかなる事業もしくは事務にも従事してはならないことが定められています。
答えは、①議会、②地方公共団体の長、③3、④教育委員会、となります。

押さえておきたいポイント

第1に、2014 年の地教行法の改正により、教育委員会制度の改革が図られ、新しい教育委員会は、教育長および4人の教育委員をもって組織されることとなりました(同法第3条。ただし、条例の定めにより、都道府県や市では、教育長および5人以上の委員、町村では教育長および2人以上の委員をもって組織することも可能)。

教育長については、同法第4条第1項の定めるところにより、地方公共団体の長が、議会の同意を得て任命することとされ、その任期は3年とされています(ただし、再任は可)。今回の法改正により、教育委員の任期が4年で非常勤であるのに対して、教育長の任期が3年で常勤となることから、教育委員会の第一義的な責任者が教育長であることが明確となり、緊急時にも常勤の教育長が教育委員会会議の招集のタイミングを判断することができるようになりました。また、地方公共団体の長は、その任期中(1期4年)に少なくとも1回は、教育長の任命を行うこととなり、地方公共団体の長の任命責任が明確化されました。

第2に、同法第13 条第1項では、新しい教育長は、「教育委員会の会務を総理し、教育委員会を代表」する職務を担うこととされ、従来の教育委員長と教育長の職務が一本化されました。ここで、「会務を総理」するとは、教育委員会の会議を主宰し、教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどるとともに、事務局の事務を統括し、所属の職員を指揮監督することを意味します。

したがって、この新しい教育長は、従来のような教育委員会の補助機関ではなく、教育委員会の構成員であるとともに、教育委員会の代表者として位置付けられるものです。ただし、教育委員会は合議制の執行機関であることから、教育長は教育委員会の意思決定に基づき事務をつかさどる立場にあり、教育委員会の意思決定に反する事務執行を行うことはできません。

第3に、教育長の服務については、地教行法第11 条において、守秘義務(第1項)、職務専念義務(第5項)、政治的行為の制限(第6項)が課されているほか、営利企業等への従事等の制限(第7項)について定められています。教育長は、教育委員会の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員等の地位を兼ね、もしくは自ら営利を目的とする私企業を営み、または報酬を得ていかなる事業もしくは事務にも従事してはならないこととされています。したがって、教育長が報酬を得て執筆活動等を行う場合には、教育委員会の許可が必要となります。

 

【問題】空欄に適切な語句を記入しなさい。
1) 教育長は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、(①)に関し識見を有する者のうちから、(②)が、議会の(③)を得て、任命する。

2) 教育長の任期は、(④)年とし、委員の任期は(⑤)年とする。教育長及び委員は、(⑥)されることができる。

3) 教育長は、(⑦)の許可を受けなければ、……(⑧)を得ていかなる事業もしくは事務にも従事してはならない。

【答え】①教育行政、②地方公共団体の長、③同意、④3、⑤4、⑥再任、⑦教育委員会、⑧報酬 ⇒ 1)地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条第1項、2)同法第5条第1項・第2項、3)同法第11条第7項

関連する教育法規
■地方教育行政の組織及び運営に関する法律第3条、第4条第1項、第5条第1項・第2項、第11 条、第13 条第1項

 

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