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教職大学院誌上オープンキャンパス 立命館大学大学院 教職研究科長に聞く!

相互の“学び合い”を通して
成長し続ける教員を
輩出していきたい

春日井 敏之教授(立命館大学大学院教職研究科長)

 

───いよいよ教職大学院の活動がスタートしました。第1期生となる院生の印象をお聞かせください。

現職教員院生10名、学部新卒院生22名の計32名が入学しましたが、現職教員院生の中には、公立学校で通常勤務を続けながら通って来る40代、50代の方もいます。どの方も「自分が積み重ねてきた実践を理論面から再整理したい」「不登校児童生徒への支援を体系的に学びたい」「国際教育のカリキュラムを開発したい」など、高い課題意識を持っている印象を受けました。学部新卒院生にとって、そうした人たちの存在は大きな刺激になることでしょう。開設して1週間も経たない頃から、院生同士がLINEで情報交換し合うなど、すっかり打ち解けている様子が伺えます。

───院生にはどのようなことを期待しますか?

まず、教育は「人間を育てる仕事」だという点を認識してほしいと思っています。どの子も、かけがえのない命と幸せになる権利を持って、この世に生まれてきたわけです。だからこそ、どんな子にも愛と敬意を持って、真摯に向き合ってほしいと思います。そのためには、育てる側の教師も、子どもと一緒に成長していくことが不可欠です。双方向の人間関係を築く上では、そうした姿勢が不可欠であることを認識してほしいと思います。

───より具体的に、どのような視点を持って学んでほしいとお考えですか?

1つ目は「広い視野を持つ」ことです。自分たちの身の回りから国内外のことまで、子どもを取り巻く社会的・世界的な状況を広く見渡しながら、子どもたちと向き合ってほしいと思います(国際教育)。
2つ目は「子ども理解を深める」ことです。一言で「子ども理解」と言っても、簡単なことではありません。子どもの発達課題、置かれた家庭環境、取り巻く社会環境など、さまざまな角度から子どもをとらえてほしいと思います(臨床教育)。
そして3つ目は、「教科指導の力量を高める」ことです。教科指導力を高め、個と集団が共に伸びていくための教育実践について、探究し続けてほしいと思います(教科方法・学習科学)。

───どれも非常に大切な視点ですね。

院生の中には、3つ目の「教科指導力」への意識が強くなりがちな人もいます。まずは、教員採用試験に合格したいと考えている人もいるでしょう。しかし、「広い視野」「子ども理解」「教科指導」の力量を三位一体のものとして獲得しておかなければ、すぐれた実践はできません。教員採用試験の合格がゴールではなくスタートであることを理解してほしいと思います。

───院生同士の“学び合い”を重視している点も特色の1つです。

院生には、32名を1つの学習集団として考え、その“質”を高めてほしいと話しています。大学教員-院生の関係だけにこだわらず、互いが学び合う活動を通じて、切磋琢磨し合ってほしいのです。一人ではできなかったことが、集団ではできるという実感が得られれば、その経験は現場に出た後、自身が行う学級経営や職場づくりにおいても生きてくるでしょう。

───カリキュラム面でも、そうした工夫があるのでしょうか。

1年次の前期(1セメスター)に、院生全員が共に学ぶ科目を多く設定したのも、そうした狙いがあるからです。授業には、なるべく協働作業やワークショップ、討論なども取り入れ、「考え合う授業」を大事にしていこうというのが、指導する側の共通認識です。

───教職大学院として、今後どのような教員を養成していきたいと考えておられますか?

立命館憲章では「正義と倫理をもった地球市民として活躍できる人間の育成」を目標に掲げています。今後、児童生徒数が減少する中で、教員養成は“量”の時代から“質”の時代へと移り変わっていきます。そうした時代の中で、確かな専門性と豊かな人間性を持って、各校で中核的な役割を担える教員を育てていきたいと考えています。

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