教師の本棚

『62のソネット』

谷川 俊太郎=著
¥880+税
※ 2017年4月現在、本書は在庫切れとなっております。

内的・外的な“宇宙”を感じさせてくれる詩集

丸山 匠勇(東京都板橋区立西台中学校教諭)

皆さんは最近、詩集を手に取ったことがありますか?私は大学生の頃から、「これはいいな」と思った詩を特別のノート(ビニールの表紙のB5判)に写し取っています。先日数えてみたら、263編の詩が書かれていました。今読んでみると、その頃の自分の気持ちがありありと蘇ってきて、思わず微笑んでしまいます。また、時には授業の中で触れたり、生徒たちに配付する漢字のプリントの裏側に載せたりと、意外に役に立っています。

そんな中、一番印象に残っているのがこの詩集です。作者との出会いは、ご多分にもれず中学校の国語の授業でした。「朝のリレー」が、堅苦しく感じられた教科書の先入観をものの見事に吹き飛ばしてくれました。その後もいろいろなアンソロジーに載っている谷川さんの詩を目にするにつけ、ぐんぐんと引き込まれていきました。

その中で最も鮮烈だったのが、この詩集の「13 今」の中の「私が今の豊かさを信ずる時/この星にいて死を知りながら/私は自由だ」という3行です。完全にノックアウトされてしまいました。それからというもの、地元の図書館で借りてきた『62のソネット』の一編一編をノートに万年筆で書き写す毎日だったことを、今でも鮮明に覚えています。
私はいつも文学作品に対して宇宙を、それぞれの世界・個性を、求めています。それは外的なものであったり、内的なものであったりするのですが、谷川俊太郎さんの詩には、そのどちらも強く感じることが度々ありました。特にこの『62のソネット』という詩集は、全体を通して大きな宇宙観(しかも外的・内的の両方)を強く打ち出しているように感じています。ぜひ、この詩集を通読して、大きな何かを感じ取っていただきたいと思います。

私が読みだした頃は、『62のソネット』を単体で入手するのがなかなか難しいものがありました。そこで、神保町の書店で行われていた著者のサイン会に参加し、当時の私にとっては大金をはたいて『谷川俊太郎全詩集』を購入し、谷川さんにサインをしていただいたことを懐かしく思い出します。

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