クイズで学ぶ教育法規

CASE 21 就学の援助

教職教養の“鬼門”とも言われる教育法規。
空欄の丸数字に言葉を入れて、ストーリーを完成させてください。

樋口 修資(明星大学教育学部教授、東京学芸大学客員教授)

 

解答&解説

学校教育法第19 条では、「経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」とされています。

市町村には、経済的理由により就学困難な学齢児童生徒に対する就学援助の義務が課されており、それぞれの市町村における条例その他の定めにより、生活保護法第6条第2項に規定する「要保護者」および市町村教育委員会が生活保護法第6条第2項に規定する「要保護者」に準ずる程度に困窮していると認めるもの(「準要保護者」)を対象として就学援助を実施しています。

答えは、①市町村、②学校教育、③保護者、となります。

 

押さえておきたいポイント

第1に、日本国憲法第26 条第1項では、国民はひとしく教育を受ける権利を有することが定められています。この規定を受けて、教育基本法第4条第3項において、国および地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して奨学の措置を講じなければならないと規定されています。こうした日本国憲法や教育基本法における教育の機会均等の保障は、学校教育法第19 条により具体化されています。

第2に、学校教育法第19 条により、市町村は経済的理由によって就学が困難な学齢児童生徒に対して、就学援助の措置を講じることが義務付けられていますが、市町村による就学援助は、生活保護法上の「要保護者」および市町村が「要保護者」に準ずる程度に困窮していると認める「準要保護者」を対象としています。市町村の行う就学援助のうち、「要保護者」への就学援助に対しては、国は、義務教育の円滑な実施に資することを目的として、「就学困難な児童及び生徒に係る就学援助についての国の援助に関する法律」、「学校給食法」、「学校保健安全法」などに基づいて、就学援助を行う市町村に対し必要な援助を行っています。国の援助措置については、学用品費、新入学児童生徒学用品費等、通学用品費、通学費、修学旅行費、校外活動費、医療費、学校給食費、クラブ活動費、生徒会費、PTA 会費が補助対象品目とされています。これを参考にしつつ、「準要保護者」に対する就学援助については、それぞれの市町村が条例その他の定めにより、就学援助対象費目を決めています。

第3 に、2013 年6月に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が制定され、政府には、子供の貧困対策を総合的に推進するための大綱の策定が義務付けられ、その大綱の中で「教育の支援に関する事項」を定めることとなりました(同法第8条)。政府の定める「子供の貧困対策に関する大綱」(2014 年8月閣議決定)においては、「国として就学援助の実施状況等を定期的に調査し、公表するとともに、……就学援助の適切な運用、きめ細かな広報等の取組を促し、各市町村における就学援助の活用・充実を図る」こととされています。

 

【問題】空欄に適切な語句を記入しなさい。

1) 国および地方公共団体は、能力があるにも関わらず、(①)によって修学が困難な者に対して、(②)の措置を講じなければならない。

2) 経済的理由によって、就学困難と認められる(③)または(④)の保護者に対しては、(⑤)は、必要な援助を与えなければならない。

3) 国は、市町村が、その区域内に住所を有する学校教育法第18条に規定する学齢児童または学齢生徒の同法第16条に規定する(⑥)で生活保護法第6条第2項に規定する(⑦)である者に対して、児童生徒に係る次に掲げる費用等を支給する場合には、予算の範囲内において、これに要する経費を補助する。

【答え】①経済的理由、②奨学、③学齢児童、④学齢生徒、⑤市町村、⑥保護者、⑦要保護者⇒1)教育基本法第4条第3項、2)学校教育法第19条、3)就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律第2条

関連する教育法規
■日本国憲法第26 条1項
■教育基本法第4条第3項
■学校教育法第19 条
■ 就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に
関する法律第2条
■学校給食法第12 条第2項
■学校保健安全法第25 条第1項
■子どもの貧困対策の推進に関する法律第8条
■生活保護法第6条第2項

 

CASE22は、

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