教職・一般・専門教養

悩ましい新指導要領対策 ココだけは押さえよう!9つのポイント

2017年3月に告示された小・中の新指導要領。新聞やテレビでも、さまざまな報道がなされていますが、教員採用試験で問われるポイントはどこなのでしょうか。筆記試験はもちろん、論作文・面接対策という点でも、絶対に押さえておくべき9つのポイントについて解説していきます。

監修・布村育子(埼玉学園大学准教授)

POINT 1
大幅に変わった「総則」の全体構成

新指導要領では、「総則」の構成が大幅に変わりました。詳細はP.017〜032の「ココが変わったシート」を参照いただきたいと思いますが、項目立てを比べると下表のようになります。

まず、「第1章 総則」の前に「前文」が入りました。ここでは、新指導要領の基本理念などが述べられており、教員採用試験において最も注意が必要な部分と言えます。

「第1章 総則」の中身も項目数が増え、分量も2倍近くに増えています。総則は、各教科等に共通する事項を定めるものですので、その部分が増えたということは、教科の枠を超えて「意識すべきこと」や「実施すべきこと」が増えたということでもあります。その点は、新指導要領の大きな特徴と言えるでしょう。

新指導要領の構成を図に表すと、下図のようになります。上部の「何ができるようになるか」「何が身に付いたか」を目指し、「何を学ぶか」「どのように学ぶか」を考える。そして、それらを「実施するために何が必要か」を考え、授業改善や人的・物的資源の確保を図っていく、という構図が表現されています。これは、後述する「カリキュラム・マネジメント」に通じる考え方であり、「第1章 総則」がカリキュラム・マネジメントを意識した構成になっていることを覚えておきましょう。

これまでの学習指導要領は、教育課程の内容、すなわち「何を学ぶか」に重点を置いて作られていました。新指導要領は、それだけにとどまらず「どのように学ぶか」や「何ができるようになるか」、教育課程を実施するために何が必要か、さらには児童生徒への必要な支援や配慮等にまで踏み込んで作られています。この点も、これまでとの大きな違いと言えるでしょう。

 

POINT 2
「社会に開かれた教育課程」というあり方

「開かれた学校づくり」や「学社連携・融合」「学校・地域間連携」という言葉は、ずっと以前から使われてきた言葉ですが、新指導要領では「社会に開かれた教育課程」という言葉が新たに示されました。「前文」に示されたことからも、新指導要領の根幹を成す言葉であることが分かります。

具体的に、「社会に開かれた教育課程」とは、どのような意味なのでしょうか。新指導要領の前文をまとめると、概ね以下のようになります。

①よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会とが共有し、教育課程を編成する。
②よりよい社会を創るという教育課程の理念に照らして、育むべき子どもたちの資質・能力を明確にする。
③よりよい社会の実現を目指し、学校と社会とが連携し協働して教育課程を実施していく。

なかなか難解ですが、噛み砕いて解説すると、①については、学校が社会と接点を持ち、多様な人々とつながりを保ちながら学べる「社会の中の学校」となる、それを目標として教育課程を編成するという意味です。個々の教員には、社会に自らを開き、多様な価値観に配慮しながら、「社会とのつながり」を意識する姿勢が求められるでしょう。

②は、①の「よりよい社会」を創る上で、子供たちにどのような資質・能力を育むかを明確にするという意味です。社会が劇的に変化すれば、その社会に生きる人に求められる資質・能力も変化します。個々の教員は、現在の社会に必要な知識を教えるだけではなく、刻々と変化していく社会に対応できる資質・能力を育むために、指導内容の充実を図っていくことが求められます。

③は、学校と社会とが①と②を意識しつつ連携し、協働しながら教育課程を実施していくという意味です。地域の人的・物的資源を活用したり、社会教育と連携して放課後や土曜日等を活用した取り組みを行ったりといったことが、今以上に求められるでしょう。

「開かれた」という言葉が用いられることになった背景には、これまでの教育課程が学校の中だけで完結してしまい、必ずしも「社会とのつながり」が意識されていなかったことへの反省があります。実際、せっかく多くのことを学んだのに、社会に出てから知識や技能が生かされない、すなわち「生きる力」が十分に育っていないという状況が、少なからずありました。新指導要領は、そうした反省に立って「社会に開かれた教育課程」というあり方を重視したのです。以下で述べる「資質・能力の三つの柱」「主体的・対話的で深い学び」「カリキュラム・マネジメント」なども、「社会に開かれた教育課程」を強く意識したものとなっています。

POINT3以降については、

本誌『教員養成セミナー2017年6月号』をご覧ください!

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