場面指導

CASE 49 保健室にて…

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。

 

ミニクイズ 学校の定期の健康診断は、毎年度いつまでに実施しなければならないか、分かりますか?

 

中根 政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

 

設問の状況

本事例は、いわゆる「保健室登校」が安定してきた児童生徒への対応について問うものです。教室登校を焦ることにより、状況がかえって悪化する事例が多くあります。児童生徒本人の心情に寄り添いながら、徐々に教室登校ができるように支援していくことが重要です。本事例では、当該生徒が不登校になった理由や原因が、明らかではない想定になっています。不登校になった理由や原因を把握しながら、心理的負担を掛けないよう配慮し、級友との関わりを徐々に持たせるなどして、学級に受け入れの雰囲気を作ることが必要です。また、養護教諭やスクールカウンセラー、保護者と連携していく姿勢も求められます。保健室登校の児童生徒に寄り添い、焦らず教室登校へつなげていこうとしているか、児童生徒理解力も含めた教師としての資質が問われる場面指導です。

模範的な対応例

不登校になった理由や原因が不明である一方、保健室登校が安定してきた児童生徒への対応のポイントは、次の3点です。①教室登校を目指しながらも、焦らずに支援していくこと、②不登校の理由や原因を把握するとともに、友達との関係を徐々に持たせ、入っていきやすい学級の雰囲気を作ること、③養護教諭やスクールカウンセラー、保護者と十分に連携すること、です。

【問】保健室登校が安定してきた生徒がいます。不登校になった理由や原因はいまだ不明です。今後どのように対応していきますか?

【答】まず、生徒の心に寄り添うように努めます。その上で、養護教諭の先生とも相談し、級友との関わりを徐々に持たせ、教室に入れるよう支援していきます。

【問】どのような配慮が必要ですか?

【答】2点あります。1点目は、教室への登校を焦らないことです。2点目は、その生徒が入っていきやすい、温かい雰囲気の教室を作ることです。

【問】具体的には、どうしますか?

【答】その生徒が心を許せる友達や級友の存在を大切にします。保健室登校の過程で、少しずつ友達や級友との交流を持たせ、教室に入ることへの精神的な負担を軽くしていきます。また、学級に無理なく溶け込めるよう、温かい雰囲気の学級づくりに努めます。

【問】不登校の理由は、把握しないのですか?

【答】本人と話す機会をできるだけ多く設け、不登校になった理由や原因を把握していきたいと思います。

【問】養護教諭から、「まだ、教室に入るのには早いのではないか」と言われました。どうしますか?

【答】その意見を尊重し、焦らずに進めます。また、他の先生方にも協力していただき、全校的な体制の下、その生徒が教室に入れるよう取り組んでいきます。

【問】不登校になった原因が、学級の人間関係にあったことが分かってきました。どうしますか?

【答】いじめの可能性も想定しながら、人間関係の改善に取り組みます。そして、相互に認め合うことの大切さを双方に話し、理解させていきます。また、保護者やスクールカウンセラー、教育相談員とも十分に連携していきます。

【問】2015 年度の全国の小中学校の不登校児童生徒数がどのくらいか知っていますか?

【答】約12 万人です。

求められる教育的知見

文部科学省によれば、2015 年度の全国の小中学校の不登校児童生徒数は12 万5,991 人で、3年連続で増加し、深刻な状況が続いています。全児童生徒数に占める割合は、小学校で0.42%(238 人に1人)、中学校で2.83%(35 人に1 人)となっています。さらに、年間90 日以上の欠席が、小中の不登校の57.4%を占める実態も明らかになりました。それだけに、児童生徒一人一人に寄り添い、不登校を生まない学級づくりに取り組むとともに、不登校になった児童生徒に対しては適切な対応と学習機会の確保に努めていかなければなりません。具体的な対応のあり方は、個々の状況に応じてさまざまなので、保護者とも十分に連携し、スクールカウンセラーなどの支援を受けることも重要です。また、担任が一人で抱え込まず、全校体制の下で対応していく姿勢も求められます。一人一人に合った支援をしていく姿勢を面接官に伝えましょう。

類似する質問例

○保健室登校から教室登校に移ったものの、再び登校できなくなった児童生徒がいます。どう対応しますか?

【クイズの答え】6月30 日(学校保健安全法施行規則第5条第1項を参照)

CASE50は、

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