論作文(論文)

教セミ流 論作文の秘技 ②統計・資料の上手な引用方法

 P.006 にもあるように、論作文では国や自治体が公表する資料などからの引用がないと、どこか不勉強な印象を与えます。ここでは、資料別にどのようなテーマでどのような資料を引用したらよいのかについて解説していきます。

資料① 文部科学省「平成27年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査
【資料の概要】いじめや不登校、暴力行為などの調査統計が掲載された資料です。毎年、秋頃に「速報値」が、翌年春頃に「確定値」が公表されます。

 論作文試験において、最もチェックしておきたい統計資料の一つです。いじめや不登校、暴力行為の件数の増減、その状況などに目を通しておくことは、最新の学校教育事情を把握する上でも不可欠です。押さえておきたい個別データとしては、以下のようなものが挙げられます。

①いじめの認知件数が小中高で22万件以上に上っていること
②いじめの認知件数が、ここ数年増加傾向にあること
➡「いじめの防止」「規範意識の醸成」などのテーマで引用可能
③いじめの学年別の認知件数が、中1で急増していること
➡「学校間の接続連携」「中1ギャップへの対応」などのテーマで引用可能
④いじめの発見経緯の約66%が、学校の教職員によるものであること
⑤いじめを受けた児童生徒のうち、74.7%が担任に相談していること
⑥いじめの多くは、「冷やかし」「からかい」など発見しにくいものであること
➡「いじめの防止」のテーマにおいて、学級担任の役割の大きさを裏付けるデータとして引用可能
⑦不登校の児童生徒数が、小中で12万人以上に上っていること
⑧不登校の児童生徒数が、ここ数年増加傾向にあること
➡「不登校への対応」「自己肯定感の育成」などのテーマで引用可能
⑨不登校のうち、90日以上に及ぶ深刻なケースが6 割近くにも及ぶこと
➡「不登校への対応」のテーマにおいて、早期対応の大切さを裏付ける資料として引用可能
⑩不登校の児童生徒数が、中1で急増していること
➡「学校間の接続連携」「中1ギャップへの対応」などのテーマで引用可能
⑪暴力行為の件数が、小学校で増加傾向にあり、低年齢化が進んでいること
➡「規範意識の醸成」「作りたい学級像」などのテーマで引用可能

 論作文試験では、各データの細かな件数まで表記する必要はありません。また、調査の名称も正式名称は長くて文字数を要するので「文部科学省の調査によると」程度で大丈夫です。調査データをふんだんに引用した記述例としては、以下のようなものがあります。

 

テーマ「いじめの防止」の序文

文部科学省の調査によると、いじめの認知件数が小中高校とも増加傾向にある。認知されたいじめの多くは、学校の教職員等により発見されている。児童が担任に相談する割合も70%以上に上る。
私はいじめの防止に向けて、担任の役割が大きいことを認識し、次の2つのことに取り組んでいく。

 

テーマ「自己肯定感の育成」の序文

文部科学省の調査によると、いじめや不登校の件数が、小中学校で増加傾向にある。暴力行為の低年齢化にも拍車がかかっている。問題行動の背景には、子どもの自己肯定感の低さがあると考え、私は次の2つのことに取り組んでいく。

 こうした記述があれば、教育事情に精通している印象を試験官に与えられるでしょう。

 

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