論作文(論文)

元試験官に聞く 論作文の採点はココを見る!

 教員採用試験の論作文は、どこをどう評価されるのでしょうか。評価の観点、悪い論作文の共通点、効果的な対策方法などを、元東京都の試験官で、現在は東京学芸大学の特命教授として学生の指導に当たっている加村隆治先生に解説いただきました。

加村 隆治先生
東京都公立学校長、東京都の教員採用試験の試験官などを務めた後、現在は東京学芸大学の特命教授として教職指導に当たる。以前、本誌「合格論作文錬成道場」を担当。

 

試験官は論作文のどんなところを評価するのか

 論作文の評価の観点・基準については、東京都をはじめ、多くの自治体が募集要項に示しています。まずはこれをよく読んで、執筆練習の段階から意識して書くことが大切です。評価の観点は自治体によって異なりますが、概ね次の4点に集約されます。

観点①【課題把握】出題テーマを的確にとらえているか

 読み取り、問題に正対して記述しているかどうかを試験官は厳しくチェックします。
課題把握において意識してほしいのは、テーマの背景を社会や教育界の動きなどに関連付けることです。例えば、「コミュニケーション能力の育成」という出題テーマに対し、冒頭で次のように書いたとします。

社会生活を営む上で、人間関係を円滑にすることが必要である。

書いていることは正しいですし、「人間関係を円滑にする」という記述は、テーマにも正対しています。ただ、記述内容があまりにも一般論すぎて、課題を浅くしかとらえていない印象がします。
課題を深くとらえていると評価してもらうには、例えば次のような記述が求められます。

これからの社会はグローバル化が進み、さまざまな人々との共生が求められる。

「グローバル化」という現代社会の特性をとらえつつ、「さまざまな人々との共生」の必要性を述べています。このように、自分の身の回りだけでなく、社会や教育界などを広い視野で見渡し、課題を深くとらえることが、高い評価を得るためには大切なのです。

観点②【実践的指導力】教師という立場で書いているか

 受験生の論作文を見ると、評論家風の文章が散見されます。「○○が大事である」「○○は望ましくない」など、第三者的な記述に終始している論作文は好まれません。大切なのは「○○に取り組んでいく」など、自身が教師という立場で実践する取り組みを述べることです。
その際に注意したい点が4点あります。1点目は、実践可能な取り組みを述べることです。「週に3回は、校外で体験学習を行う」「テレビ電話を使って海外の子供と交流をする」など、現実には実践できないようなことを書くと、学校教育の事情を理解していない印象を与えます。
2点目は、管理職的な立場で書かないことです。例えば、「少人数指導体制で取り組む」「ケース会議を開催する」などの記述は、基本的に管理職が行うことなので、注意が必要です。
3点目は、可能な限りオリジナルな実践を盛り込むことです。例えば、単に「読書活動を実施する」ではなく、「『1週間1冊読もう活動』を行い、本の内容を学級活動で発表させる」などと書けば、教師としての発想力を感じさせることができます。
4点目は、より具体的に書くということです。「何をするか」だけでなく、「何のために」「いつ」「どのように」実施するのかを、可能な範囲で盛り込むことです。こうした記述があると、記述内容にリアリティが出てきます。

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