場面指導

CASE 45 宿題を忘れた子供が…

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。

 

ミニクイズ 「一日中」「常に」等を表す四字熟語「(  )時中」。(  )に入る語、分かりますか。

 

中根 政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

 

設問の状況

学習塾や習い事に通う児童生徒が数多くいます。本事例は、児童生徒が限られた時間の中で、学習塾の予習復習や習い事の練習などに追われ、学校の宿題がおろそかになっている状態です。教師としては、学校の宿題が授業の補充としてだけではなく、主体的に学ぼうとする学習習慣を確立するためにも必要であることを保護者に理解させる必要があります。また、学校の宿題の負担は、小学生であれば発達段階に応じた配慮を、中・高校生であれば部活動との兼ね合いを考えた配慮をする必要があります。こうした宿題の負担に加え、学習塾の予習復習の負担もあるならば、担任として、保護者にも配慮をいただきたいことを伝えていきたいものです。なお、ゲームや遊びなどに時間をとられて宿題をやってこない児童生徒に対しては、宿題の必要性を理解させ、家庭学習に取り組むよう指導していくことが求められます。

 

模範的な対応例

本事例のように、学習塾の予習復習や習い事に追われて宿題がおろそかになっている児童生徒への指導のポイントは次の3点です。①本人・保護者から生活時間の状況について話を聞き、把握すること、②児童生徒の負担について保護者に理解させること、③宿題の必要性と意義について、日頃から本人・保護者に理解させること、です。

【問】学習塾の予習復習と習い事に追われ、宿題をやってこない児童がいます。どう指導しますか?

【答】まず、本人から、日々の生活時間について十分に話を聞き、状況を把握します。その上で、学習塾と習い事が、児童の負担となっていることを保護者に説明します。

【問】保護者は、宿題を出さないで済むように、授業でしっかり指導していただきたいと話します。どうしますか?

【答】宿題の必要性と意義について理解していただきます。宿題は授業の補充だけでなく、主体的に学習に取り組む姿勢を養い、家庭学習の習慣を確立する上で意味があることを説明します。また、宿題が過度な負担にならないよう、配慮して出していることも理解していただきます。

【問】保護者が、「学習塾は大切なので、習い事をやめさせます」と話します。どうしますか?

【答】児童にとって習い事が楽しみとなっている場合、本人の良さを伸ばし、自信を持たせるためにも、習い事をやめさせるのではなく、学習塾の負担を減らす方向で考えていただきたいと伝えます。

【問】児童本人には、どのように話しますか?

【答】好きな習い事を続けるためにも、学校の宿題は、帰宅後すぐに取り組むなどして、短時間で終わらせるような工夫をしてみてほしいと話します。具体的な支援を行い、「できる」という自信を持たせたいと思います。

【問】学校の宿題で配慮しなければならないことは、どのようなことですか?

【答】授業の補充ではないこと、児童生徒の過度な負担にならないこと、中・高校生であれば、教科ごとに出される宿題が過重にならないよう配慮する必要があります。

 

求められる教育的知見

確かな学力の向上のためには、家庭と連携して、児童生徒が主体的に学習に取り組む習慣を確立していくことが重要です。全国学力・学習状況調査の結果でも、「学校の授業時間以外で、学習に取り組む時間の長い生徒の方が教科の平均正答率が高い傾向が見られた」と分析されています(国立教育研究所「平成27 年度全国学力・学習状況調査報告書(クロス集計)」)。主体的な学習習慣の確立のためにも、学校の宿題の意義について家庭・保護者の理解をうながすと同時に、児童生徒の負担になり過ぎないよう適切に配慮する必要があります。学習塾や習い事だけでなく、ゲームや携帯電話でのやりとりに時間を消費してしまいやすい現代社会において、家庭学習の習慣が確実に身に付くよう、児童生徒一人一人の状況に応じた指導をしていくことを面接官に伝えましょう。

 

類似する質問例
○保護者から「宿題が多すぎる。学習塾でも十分勉強しているので、宿題を出さないでほしい」と言われました。どう対応しますか?

【クイズの答え】四六

 

Case46は、

本誌『教員養成セミナー2017年4月号』をご覧ください!

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