教職・一般・専門教養

キーワードに沿って答申の“要所”を読む

ここからは、新学習指導要領のキーワードごとに、答申の読むべきところを示しながら、理解しておくべきことを解説していきたいと思います。

監修・布村育子(埼玉学園大学准教授)

Keyword 1
子供たちの未来

答申のここを読め!

第1部 「第2章 2030年の社会と子供たちの未来」より
◯とりわけ最近では、第4次産業革命ともいわれる、進化した人工知能が様々な判断を行ったり、身近な物の働きがインターネット経由で最適化されたりする時代の到来が、社会や生活を大きく変えていくとの予測がなされている。“人工知能の急速な進化が、人間の職業を奪うのではないか” “今学校で教えていることは時代が変化したら通用しなくなるのではないか”といった不安の声もあり、それを裏付けるような未来予測も多く発表されている。

 

解説
近年、人工知能(AI)の進化には目覚ましいものがあります。AIが発達すれば、人間の仕事や役割にも変化が生じるものと考えられ、研究者の中には「子供たちの65%は将来、今は存在しない職業に就く」「今後10〜20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い」といった予測を立てている人もいます。答申では、こうした社会を前向きにとらえ、新しい未来の姿を構想し実現できる資質・能力が必要であるということが、課題意識として述べられています。

 

Keyword 2
「生きる力」

答申のここを読め!

第1部 「第3章 『生きる力』の理念の具体化と教育課程の課題」より
◯こうした教育基本法が目指す教育の目的や目標に基づき、先に見た子供たちの現状や課題を踏まえつつ、2030 年とその先の社会の在り方を見据えながら、学校教育を通じて子供たちに育てたい姿を描くとすれば、以下のような在り方が考えられる。
・社会的・職業的に自立した人間として、我が国や郷土が育んできた伝統や文化に立脚した広い視野を持ち、理想を実現しようとする高い志や意欲を持って、主体的に学びに向かい、必要な情報を判断し、自ら知識を深めて個性や能力を伸ばし、人生を切り拓いていくことができること。
・対話や議論を通じて、自分の考えを根拠とともに伝えるとともに、他者の考えを理解し、自分の考えを広げ深めたり、集団としての考えを発展させたり、他者への思いやりを持って多様な人々と協働したりしていくことができること。
・変化の激しい社会の中でも、感性を豊かに働かせながら、よりよい人生や社会の在り方を考え、試行錯誤しながら問題を発見・解決し、新たな価値を創造していくとともに、新たな問題の発見・解決につなげていくことができること。
◯こうした姿は、前章において述べたとおり、変化の激しい社会を生きるために必要な力である「生きる力」を、現在とこれからの社会の文脈の中で改めて捉え直し、しっかりと発揮できるようにすることで実現できるものであると考えられる。
(後略)

 

解説
前の章で述べた課題を踏まえつつ、子供たちに育むべき資質・能力を具体的に述べています。「伝統や文化」「主体的(な学び)」「他者への思いやり」「新たな価値の創造」「新たな問題の発見・解決」など、幾つかキーとなる言葉が並んでいますので、チェックしておいてください。なお、平成10・11年版学習指導要領で提唱され、平成20・21年版に教育基本法第2条との関連のもとに継承された「生きる力」については、現代的な意義を踏まえてより具体化し、教育課程を通じて確実に育むことが求められています。

 

Keyword 3 以降は

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