合格者体験談

虎バン実況アナの教採合格奮闘記 第2回 始動 〜働きながらの教職単位修得〜

タイガース戦や夏の甲子園大会の実況を務めるなど、朝日放送のアナウンサーとして活躍していた清水次郎さん。2016年夏の教員採用試験に合格し、2017年4月から高校の教師として教壇に立たれます。教師を目指した経緯、教職への思いなどを計4回にわたって語っていただきます。

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清水 次郎 元朝日放送アナウンサー
1971年東京都狛江市出身。早稲田大学第一文学部卒業後、朝日放送に入社。阪神タイガース戦をはじめ、スポーツ実況等を担当。2016年6月に退社後、兵庫県の教員採用試験に合格。2017年春から高校の地理歴史科教諭として赴任予定。

 

悩んだ末にゼロから教員免許の取得を目指すことに決めたのが、アナウンサーとしての仕事量も増えた入社18年目の2011年、40歳の時でした。書籍やネットで調べた結果、通信教育という手段があることを知り、高校の地理歴史科の免許を取得できる日本大学法学部を選択しました。周囲の助言等もあり、公民科と中学校社会科を合わせた3種類の免許取得を目指したため、約30科目、85単位ほどが必要でしたが、計画としては2年半でこれを修得し、採用試験に臨むつもりでした。

当時、兵庫県の年齢制限が「採用時で45歳」となっていたため、2016年実施試験が最後のチャンスになる計算でした。初受験が最後のチャンスというのはあまりに怖いので、遅くとも2014年度中には免許を取って退社し、2回は受験したいと考えたのです。チャンスが2回という状況も十分に危ない賭けですが、働きながら単位を取るとなれば、2年半を要するのは仕方がなく、覚悟を決めて挑むことにしました。

幸い、のちに年齢制限が5歳引き上げられ、「2016年度試験でダメだったら終わり」というプレッシャーからは解放されることになるのですが、当時はそれを知る由もありませんでした。

2011年秋から通信教育の受講をスタートしましたが、勉強のせいで実況の準備に手を抜いたり、中継の出来に影響が出たりといったことだけは、絶対にしたくないと思いました。給料をいただいているのに、自分の都合で仕事を疎かにするような人間は、きっと何をやっても半端になるだろうと思ったからです。スポーツ紙を見て整理する実況のための資料も、勉強開始前より詳細に作ることに決めました。実況がある日とその前日は、準備に多くの時間を要するので勉強はお休み。それ以外の日の隙間時間や、電車での移動中、出張先のホテルで資料整理を終えた後の時間、実況が終わって帰宅した後の深夜、そして休日が私の貴重な勉強タイムでした。自分で好んでする勉強は楽しく、課題のレポート作成も何ら苦痛はありませんでしたが、何分要領が悪く、うまく手を抜けない性格のため、時間はかかりました。当時2歳の長男を抱えながら、私の勝手な勉強タイムを許してくれた家内には、一生頭が上がりません。

単位修得の方法はさまざまですが、その中には2,000字のレポート1〜2通を締め切りまでに提出した上で、年に4回ある試験のいずれかに合格しなければならないものもありました。試験日は常に日曜。関西の会場で受けられるようになっていたので大変助かりましたが、プロ野球のシーズン中ともなると、甲子園球場の阪神戦と重なるケースも出てきます。そんな日はテレビ・ラジオの実況、あるいはベンチリポーターやヒーローインタビューなどを担当することになるため、試験は受けられません。勤め人ですから当然のことです。それとは逆に、レポート提出が期限に間に合わず、せっかく試験日の予定が空いたのに、1科目も受けられないということもありました。

ある年には、夏の全国高校野球大会が台風のために開幕から2日間順延し、その間に諦めていたレポートを猛スピードで書き上げたとこともありました。とにかくギリギリまで粘る、可能性ある限り諦めずに挑戦する、なんて言えば聞こえはいいですが、要するに悪あがきの連続でした。行程表を作ったり、「現在◯%修得!」と書いた表を作ったりして自分を励ましていましたが、そうした状況もあって年4回の試験機会をフルに生かすことができず、単位の修得は予定通りのペースで進みませんでした。実を言うと、この原稿を書いている今も、最後の2単位修得に追われています(笑)。要した期間は2年半どころか、丸5年。今気付きましたが、当初予定の倍!ですね…。要領の悪さにもほどがあります。

こうして、私は教員免許“取得見込み”の状態で採用試験に臨むことになりました。2015年夏実施試験時はまだ退社もしておらず、採用試験対策はほぼゼロの状態。いわば丸腰で臨んだため、当然不合格でしたが、試験場の空気を味わえたことは貴重な経験でした。次回は、お世話になった朝日放送退社から試験対策、採用試験本番までのお話をさせていただきたいと思います。

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