場面指導

CASE 43 地域の方から…

教員採用試験の面接試験で「場面指導」を実施する自治体が増えています。事例解説を通じて対応力を高めましょう。

 

ミニクイズ 「いたずら」、漢字で書けますか?

 

中根 政美(共栄大学客員教授、元埼玉県公立小・中学校長)

 

設問の状況

近隣の方からの問い合わせへの対応と、守秘義務との狭間でどうするか、教師としての姿勢が問われる事例です。近隣の方からの電話には、どのような内容であっても丁寧に誠意を持って対応していく必要があります。本事例のような、保護者に直接注意したいという意向に対しては、学校が当該児童生徒を指導していくことを伝えます。児童生徒宅の電話番号は個人情報であり、安易に公表してはなりません。また、下校途中の児童生徒のいたずらである場合は、学校の管理下での出来事であるため、学校として対応し、いたずらを止めさせるよう指導する必要があります。その上で、保護者にも事実を伝え、学校と保護者が連携して、児童生徒を指導していきます。近隣の方への適切な対応力と、守秘義務に対する姿勢の両方が問われる場面指導です。

模範的な対応例

本事例における対応のポイントは、次の3点です。①近隣の方からの電話に丁寧に応対し、事実関係と要望の内容を正確に把握すること、②電話の内容を学年主任、管理職に伝え、対応の指示を受けること、③登下校時の安全確保、通学路途上のいたずらの防止などについて、学校・学級で日頃から指導していくこと、です。

【問】近隣の方から、下校中の子供たちのいたずらについて苦情がありました。どう対応しますか?

【答】まず、電話をいただいたことへの感謝を伝えます。メモを取りながらお話を伺い、電話の理由や要望などを把握します。

【問】玄関先の植木鉢が頻繁に倒されるといったいたずらが続いている。いたずらをしている児童のうち、一人の名前が分かったので、保護者に報告するために、児童宅の電話番号を教えてほしいと言われました。どうしますか?

【答】まず、児童のいたずらについてお詫びします。その上で、いたずらの状況を確認し、今後、繰り返さないよう、学校として指導することをお伝えします。

【問】「子供のいたずらは保護者の責任。直接報告して、保護者から子供に注意をしてもらいたいので、電話番号を教えてほしい」と再度言われました。どうしますか?

【答】下校途中の行為であり、学校として注意・指導を行いたいことをお伝えします。また、保護者にも学校から連絡し、連携して指導していくことを説明して、ご理解いただきます。その後、電話の内容を学年主任、生徒指導主任、管理職に伝え、指示を仰ぎます。いたずらの現場の確認も必要ですので、複数の教師でご連絡をくださった方を訪問し、確認をします。

【問】なぜ、児童宅の電話番号を教えない方がよいのですか?

【答】児童宅の電話番号は個人情報だからです。必要な場合、学校から家庭に連絡することはできますが、外部からの問合せに対して、安易に教えてはならない情報だと考えます。

求められる教育的知見

学校には、地域の方、特に近隣の方から苦情や要望が寄せられることが多くあります。電話等には、誠実に応対し、事実や訴えの内容を正確に把握していくことが求められます。その上で、管理職の指示を受け、児童生徒に指導し、再発防止を図ります。これからの学校は、地域との連携を重視し、地域の教育力を活かしながら、開かれた学校として発展していく必要があります。誠実な対応を基本に、学校の方針を理解してもらうことが大切です。

なお、児童生徒の個人情報に関しては、各学校で決めている「個人情報の取扱に関する要領」等に従い、しっかりと守秘義務(地方公務員法第34 条等)を守らなければなりません。近年は、民間業者が児童生徒宅の電話番号を巧みに聞き出そうとする事例が多く発生しています。学校外部の方への誠実な対応を心掛ける姿勢と、教師として個人情報の保護の必要性を認識していることを面接官に伝えましょう。

 

類似する質問例
○近隣の方から「児童名の書かれた落とし物があった。返したいので児童宅の電話番号を教えてほしい」と電話がありました。どう対応しますか?

○保護者から「うちの子が△△君にいじめられている。話し合いに行きたいので、△△君の住所を教えてほしい」と依頼がありました。どうしますか?

 

【クイズの答え】悪戯

 

教育データ対策 これ一冊でいっき解決! 3ステップ過去問分析の進め方 教員養成セミナーのご紹介 教セミLine@ 教員採用試験対策サイトへ

最新号のご案内